★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ピーターのいす

 

よく、下に兄弟が生まれると、上の子が赤ちゃん返りしたり、

 

夜泣きをしたり大変と聞きます。

 

今までひとじめできたお母さんとの時間、自分が使っていたおもちゃや、

 

衣服を兄弟へゆずる葛藤。いろんな葛藤を抱えながら、

 

少しずつお兄さん、お姉さんになっていくのかもしれません。

 

 

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『ピーターのいす』は、ピーターに妹が生まれて、

 

今までピーターが使っていた小さなダイニングのいすや、ゆりかごや、

 

ベビーベッドなどが生まれた妹の元に行ってしまう戸惑いと、

 

突然、お母さんを奪われたような寂しさがあふれ出し、葛藤が描かれています。

 

ピーターが使っていた家具たちがブルーからピンクにペンキを塗り替えられ、

 

その作業を素直に手伝うことが出来ないでいました。

 

小さないすを、ピーターはこっそり持ち出し、家の外へ出ます。

 

そして昔使っていたいすに、そっと腰を下ろそうとすると、

 

ピーターのおしりはいすに、座ることができませんでした。

 

そこで自分の使っていた家具を妹に譲ることを決意します。

 

お兄ちゃんになる葛藤、心の動きが繊細に描かれています。

 

『ピーターのいす』は、兄弟が生まれてくるときに、読み聞かせしたい絵本です。

 

出産祝いを渡す際に、上の子へのプレゼントにもいい一冊かと思います。

 

 

《著者紹介》

作者:エズラ=ジャック=キーツ

1916~1983。ニューヨーク市の下町に生まれ、独学で絵の勉強をする。

子どもの本の挿絵を描き始め、1963年に文・絵共に自作の絵本『ゆきのひ』で

コルデコット賞(アメリカの年間最優秀絵本賞)を受賞。

以後『ピーターのいす』『ピーターのくちぶえ』等、十数点の絵本を発表し、

子どもの心の内面を新鮮な目で捉え、詩情ゆたかに表現した絵本作家として、世界的

に高く評価された。

 

訳者:木島 始(きじま はじめ)

1928年京都市に生まれ、東京大学英文科を卒業。詩人・作家・英文学者として

幅広く活躍。自作の詩集の他、現代詩のアンソロジー『地球に生きるうた』の

編集、創作に『やせたぶた』『考えろ舟田!』絵本の翻訳に『はなをくんくん』

『ゆきのひ』等 2004年没。

※絵本より引用

【作・絵:エズラ・ジャック・キーツ 訳:木島始 出版社:偕成社

 


ピーターのいす (キーツの絵本)