★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

かさ *太田大八

絵本でカラフルな色使いの絵本も大好きなのですが、

 

大人になってからはモノクロ絵本の良さも感じています。

 

かえって色彩がないモノクロの世界の方が、

 

読んでいて、色彩の豊かさや、感情の機微を感じます。

 

頭の中で読みながら、その絵本の世界にどっぷりとつかり、

 

その情景を思い浮かべ、想像の中で色をのせているのかもしれません。

 

それがまた楽しかったりします。

 

今日ご紹介する太田大八さんの作品『かさ』もモノクロ作品になります。

 

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かさ

女の子が持つ傘だけが赤色で、あとの景色、人、道、雨、車などはすべて墨色一色で描かれています。

 

そして文章がありません。

 

お話としては、雨の日に女の子が駅にパパを迎えに行く道のりが、

 

絵だけで表現されています。

 

でもなぜか多色で描かれた絵よりも、より鮮明に、鮮やかに、

 

女の子のパパに会えるまでのドキドキした気持ちや、

 

道がちゃんと合っているか緊張している様子など、さまざまな思いがより一層

 

伝わってくる作品です。

 

いつも少しがっかりする雨の日が、愛しく思える、好きになれる絵本です。

 

言葉もなくて、色も限られているのに、こんなに心揺さぶられて、

 

何か読んだあとの余韻が残る絵本も少ないです。

 

貴重な体験でした。

 

子どもから大人に、幅広い年齢層の方におすすめな絵本です♪

 

《著者紹介》

作・絵 太田大八

1918年、長崎県に生まれる。

多摩美術大学卒業。日本イラストレーター会議に所属。

児童出版美術家連盟理事として活躍中。日本童話会員、小学館絵画賞、

国際アンデルセン賞絵画部2位を受賞。最新作品に『のぼっていったら』

『まほうこうじょう』等がある。東京在住。

※絵本より引用

 

【作・絵:太田大八 出版社:文研出版】

 


かさ (ジョイフルえほん傑作集 10)