文字も絵も、どちらも描けるゴフスタインだからこそ完成した絵本のように思います。
以前紹介しました作家も、今回の画家もどちらも大切にしている絵本です。
“画家は神のようなもの、だがつつましい”
という一文が始まる。
そして”神の創造をはなれてものを見ることはできない”
”自分もまた神に創られたのだから。”
”心の中の考えや気持ちを描こうとする”
”画家は神のようなもの”
”神は彼を創ったのだから”
”つつましく、強く、だが限られた日々、与えられたいのちを彼はつかいはたす”
聖書のような詩とともに、水彩画の繊細な絵が限られた四角い枠の中にひっそりと
描かれている。まさにつつましく。
最後のページにゴフスタインの作品について、ワシントン・ポスト紙が下記のように
記しています。
”M.B.ゴフスタインは我々の時代の最も洗練された絵本作家である。
彼女の仕事は、ちょうど陶器のように、ちょっと見ただけでは解らない味わいがある。
表面の繊細さと壊れやすさの奥に隠れている芯は、驚くほど強い”
*絵本より引用
画家や作家、アーティストと呼ばれる人たちが、どのように作品と向き合って、
どのような方法で形にしているのか、想像もつかないし、純粋に好奇心が湧きます。
作家も画家のどちらの作品も、その普段知りえることのない、
作品を生み出す人の頭の中を、作品と向き合う心を表現してくれている絵本だと
思います。
人ととしてどう生きるべきか、どのように仕事と向き合うべきかを教えれくれる絵本。
子どもには小学校高学年に渡したい絵本です!
ゴフスタインの今まで世に送り出してきた作品が、どのように生まれたか、
どんな気持ちで生み出してきたかよくわかります。
【作:M.B.ゴフスタイン 訳:谷川俊太郎 出版社:ジー・シー・プレス】