★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

アンジュールーある犬の物語 *ガブリエル・バンサン

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アンジュール

絵本『アンジュール』は途中文章が一度も出て来ません。

 

ずっとデッサンで描かれた絵が語りかけてきます。

 

ここに登場する犬に視点を置いて、描かれているのですが、

 

途中犬は、家族の車から投げ捨てられてしまいます。

 

その日から突然野良犬となった犬は、元の家族のところへ戻りたくて、

 

必死で臭いをかぎ、走ります。

 

途中車にひかれそうになりながら、元の場所に戻ろうと奮闘する姿が、

 

デッサンの絵だけで表現されており、

 

広い浜辺まできて、見知らぬ親子の姿を見つめていたり、遠い景色を見ているだろう

 

ことが犬の背中からひしひしと伝わってきます。

 

絵を見ているだけで、涙がでそうになります。

 

犬は路地裏や町の中も探し周り、途中通行人に叱られながら、

 

そして途方に暮れていると、あちら側から、独りぼっちの少年に出会います。

 

少年も少しずつ犬との距離を縮めながら、犬は思わず男の子に飛びつきました。

 

やっと出会えたかのように。

 

きっと少年も犬も同じ気持ちだったのでしょう。

 

再び、人と犬が、気持ちが通い合った瞬間でページが終わります。

 

大人に読んでもらいたい絵本です!

 

《著者紹介》

作者:ガブリエル・バンサン

ベルギーのブリュッセルに生まれる。

ブリュッセルの美術学校で絵画を学び、以後長期にわたりデッサンに専念した。

この『アンジュールーある犬の物語』は、彼女の処女作で、まさに彼女の特長を生かしきった鉛筆デッサンによる絵本である。このほか、木炭デッサンの絵本として『たまご』インクによるデッサン絵本の大作『セレスティーヌーアーネストとの出会い』(いずれもボローニャ国際児童図書展グラフィック賞)とつづき、鉛筆画の大作『天国はおおさわぎー天使セラフィーノの冒険』や『マリオネット』などがある。

水彩画による作品に『くまのアーネストおじさん』シリーズ『ちっちゃなサンタさん』

テディ・ベアのおいしゃさん』などがあり、いずれも、その線描の確かさを最大のとする。また、日本オリジナル絵本として『ナビルーある少年の物語』『ヴァイオリニスト』がある。2000年9月ブリュッセルにて永眠。

※絵本より引用

【作:ガブリエル・バンサン 出版社:BL出版

 

 

 


アンジュール―ある犬の物語