近頃、例えば芸術ならピカソなどの半生や作品を、絵本にまとめたものだったり、
音楽だとモーツァルトの絵本だったり、
難しい古典や論語などなどを子どもが理解しやすいように、
フリガナを打ちながら、書いている内容を説明してくれている絵本が出ていて驚きました。
ノアの箱舟も絵本になっていると、どんなお話か子どもにも理解しやすく、
まだちょっと4歳の子には早いかなと思いながら読み聞かせてみましたが、
子どもにとって、動物も、海の生き物も、虫も、植物、人間もみんな同じなんだなと
気が付いたようです。みんな同じラインに立っている。
優劣を決めているわけではないのですが、
私たち大人は動物や、虫や、魚、植物、人間のカテゴライズをいつの間にかしていたんだなと
子どもの発する言葉からふと気が付きました。
みんなが一つの船で仲良く暮らす姿が、子供はとても気に入っていました(*^^)v
ノアとその息子たちは、神様に地上に人の悪が大きいのを見て、心を痛め、
箱舟をつくるよう命じられました。
そして、地上にいるすべての生き物が、ひとつがいずつ入れる大きさにしなさいと
命じられ、大きな木でできた船を作ります。
動物たちもノアたちのもとへ大移動しています。
船の外側が完成するころ、たくさんの雲が見えてきました。
動物の世話は、ノアの妻と、息子の妻たちの仕事です。
ノアと息子たちは船の仕上げを急ぎました。
雨が降り出し、箱舟に乗り込むときが来ました。
みんなが船に乗ると、天がさけて、土砂降りの雨が降ってきました。
昼も、夜も、何日も続けて雨が降り続けました。
箱舟の中は、暖かく、乾いていて、満員でした。
動物に水と食べ物を与える仕事を絶え間なく続けました。
魚や海の生き物たちは、船のすぐ近くに寄ってきた。
一番大きな動物たちはの、すみかは船底だった。
ノアの一家は、食事のときしか休む暇もなかった。
毎晩、昼間の仕事で疲れ切って横になった。
雨は降り続け、全世界が水で覆われた。
とうとう長い雨が降りやみ、太陽が輝き、
箱舟のみんなは喜んだ。そして地上に降りたつ日が来て、
みんな箱舟から降りて、それぞれの場所へと戻っていきましたというお話。
ノアの箱舟ってこんな形をしていて、こんな風にみんなで生活して、
洪水を乗り越えたんだということが、細密な絵がわかりやすく、
子どもにも教えてくれていて、大人の私も改めて絵で見ると、
手に取るようにノアの箱舟の物語が鮮明に焼き付きました。
とてもきれいな絵本です。
【作・絵:アーサー・ガイサート 訳:小塩節 小塩トシ子 出版社:こぐま社】