★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

おおきな木 

f:id:kiko_book:20210302095221j:plain

おおきな木

絵本『おおきな木』は、少年とある一本の木のお話。

 

村上春樹氏が訳していて、最後のあとがきに、

 

あなたはこの木に似ているかもしれません。あなたはこの少年に似ているかもしれません。

それともひょっとしたら両方に似ているかもしれません。

 

あなたは木であり、また少年であるのかもしれません。と。

 

繰り返し読んでいると、年齢を重ねるごとに、違う感想を持つ絵本かもしれません。

 

絵本の内容は、やさしい言葉でシンプルに語り掛けてくれます。

 

ずっと母親のように、少年の欲しいものを与え続けてくれる木、

 

少年は木が大好きで、大人になっても、ずっと何かを求め続けるまるで子どものよう。

 

木は葉っぱをたくさん少年に与え、冠を作って遊んだり、

 

木登りをしたり、枝にぶら下がって遊びました。

 

そしてお腹がすくと、リンゴを食べました。

 

一緒にかくれんぼをして遊んだり、

 

くたびれると木陰で少年は眠りました。

 

木はとても幸せでした。

 

やがて時間は流れ、少年は大人になりました。

 

木はひとりぼっちになることがおおくなりました。

 

そしてある日、少年は木の下にやってきました。

 

木は嬉しくて、昔のように一緒に遊ぼうと話しかけると、

 

もう、大人だから遊ばないよ。

 

『ものを買って楽しみたいんだ。お金がいるんだ。お金をちょうだい。』と。

 

『ごめんなさい、お金はないの。りんごを持っていきなさい。それを売ってお金にしなさい。幸せになりなさい。』と木は言いました。

 

言われたとおり少年は木にのぼり、あるだけのリンゴをかき集め、運びました。

 

木はしあわせになりました。

 

その後しばらく少年は姿をみせませんでしたが、やがてまた木の下へ少年が戻ってきました。

 

『ぼくにあたたかくくらせる家がいるんだ』と少年はいいました。

 

『木は私は家を持っていないの。でも私の枝を切って、それで家をつくればいい。そうしてしあわせになりなさい』と木は言いました。

 

少年は言われたとり、木の枝を切って、それで家をつくりました。

 

木はしあわせでした。

 

その後しばらく少年は姿を見せませんでしたが、少年は戻ってきました。

 

もう少年は歳をとっていました。

 

『僕は船が欲しい。ここじゃないずっと遠くに僕を運んでくれる船をおくれよ。』

 

『私のみきを切って、船をつくりなさい。』と木は言いました。

 

『それにのって遠くに行って…しあわせになりなさい。』

 

言われたように少年はみきを切り倒しました。

 

それでふねをつくり、遠くに旅立ちました。

 

それで木はしあわに・・・なんてなれませんよね。

 

ずいぶん長い時間が経ち、少年はまた戻ってきました。

 

『ごめんなさいぼうや。私にはもうなにもないの。あなたにあげられるものが。』

 

『僕はもう歳をとってしまって、りんごは食べられないし、木にも登れない。

僕はもう、とくになにもひつようとはしない。こしをおろしてやすめる、

しずかな場所があればそれでいいんだ。ずいぶん疲れてしまった。』

 

『それなら、いっらしゃいぼうや、わたしにおすわりなさい。座ってゆっくりおやすみなさい。』

 

少年は切り株に腰をおろしました。

 

それで木はしわせでした。というお話です。

 

ずっと母のように最期まで与え続ける木と、いつまでも何かを求め続ける少年。

 

変わろうとしなかった少年と、変わらずにいた木。

 

そして木は少年を愛し続け、与えて、最後自分の体がなくなってしまうほど、

 

少年に尽くして、とても幸せと感じているのに対して、

 

少年はこんなにも木に、大きな愛情をもらい続けているのに、いつまでも満ち足りず、

 

歳を追うごとに疲れていく姿が対照的。

 

こんなに側に大きな幸せがあるにもかかわらず、遠くに幸せを探し求め続ける少年。

 

今まで自分が与えられてきた愛情、幸せをかみしめながら、

 

自分は何を、人に与えらえれるのか考えさせられた一冊。

 

シンプルな絵や短い言葉に、言葉では言いあらわせれない深い感情が込められている。

 

《著者紹介》

作:シェル・シルヴァスタイン

1930年、アメリカ・シカゴ生まれ。イリノイ大学ローズヴェルト大学などで学ぶ。

絵本作家として有名だが、ソングライター、漫画家、詩人として多岐にわたり活躍。

著書に『ぼくを探しに』『歩道の終わるところ』(共に講談社)など多数。1999年没。

 

訳:村上春樹

1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業。主な著書に『ノルウェイの森』(講談社)、『1Q84』(新潮社)、訳書に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)、

『急行「北極号」』(あすなろ書房)などのオールズバーグ作品ほか多数。

※絵本より引用

 

 


おおきな木