よるになり、のこぎりくわがたは きのみつを なめに くぬぎのきへ
とんでいきました。
くぬぎのきに、たくさんの虫が甘い蜜を求めて集まってきます。
のこぎりくわがた、蜜をたくさんなめたところで、カブトムシが飛んできました。
のこぎりくわがたは、蜜から離れ、くぬぎの枝に移動します。
枝をどんどん歩いていくと、足をすべだせ、地面の上に落ちてしまいました。
地面にひっくりかえってしまい、なかなか元に戻れず、手足をバタバタ。
なかなか起き上がれないでいると、傍にあった木に、足を引っかけて、
無事にもとに戻りました。それからそっと、落ち葉の中に潜りました。
虫をずっと観察していると、時間を忘れて、興味深い動きに夢中になります。
蟻は自分の体より大きな食べ物を運ぶときに、仲間と力を合わせて巣に運び入れたり、
長い列を組んでいます。
くわがたやかぶとむしは中々普段、
ちょうちょやとんぼのように見かけることはないので、
子どものときはプレミアムな特別な存在で、見つけることじたいが奇跡みたいでした。
とんぼはなかなか捕まえるのが難しく、よくトンボの目の前で、
指をぐるぐると回して、とんぼが目を回してコントロールを失うのをまったり、
(ほとんど意味がなかったように思います笑)
蝉はくまぜみや、ツクツクボウシを捕まえれたらとてもうれしかった思い出があります。
虫をじっくり長い時間観察して、その一コマを描いた一冊です。
子どもの『なんだろう?』の視点にたっていて、くわがたのカッコよさと、
それよりも強い王様のようなかぶとむしの力関係も表現されています。
これから春に向かい、たくさんの虫たちが元気に活動する季節がやってきますね。
【作:相笠昌義 出版社:福音館書店】
年少版こどものとも のこぎりくわがた 相笠昌義 1985年 初版 絶版 昆虫 虫 クワガタ 古い 絵本 昭和レトロ