旧約聖書の中に書かれている物語。子どもにもわかりやすいように、
絵本になって、簡単なひながなの短い言葉で綴られています。
お話は、みんなが同一の言語を話していた時代に、人々は、
さぁレンガを造って、よく焼こうと、神が与えた石や漆喰のかわりに、
レンガをつくり、漆喰のかわりに、アスファルトを得た。
そしてそれらを使って、天にまで届く塔を建てよう。
そしてた王様(地上の人間)は神様と同じだと。
そして神様は、民が天まで届く塔を造っているとを知り、
怒って、人々の言語をみんなバラバラにしました。
王様の命令にしたがって、昼夜問わず懸命に塔を完成させるために働き続けていた、
労働者たちはたがいに言語が違うため、会話が通じなくなり、
塔をつくるのをあきらめ、それぞれに散っていってしまいました。
塔は二度と完成することはありませんでした。
この絵本は大人たちが大きな塔を造っている横で、小さな子どもが2人、
神様から与えられた石をつかって、二人で仲良く塔をつくっているというお話。
言語はコミュニケーションをとるのに、とても大切だということ。
ですが言葉が通じなくても、コミュニケーションをとる手段、
相手を知ろうと努力することはできるんだよということ。
そして、いろんな文明の発展を経て、頭が賢くなっても、
世の中を良くしようと野心や向上心を持つことは決して悪いことではないけれど、
神に並ぼう、神を超える存在になろうとするのは、自らをわきまえないと傲慢な
態度となり、時に自分の身を亡ぼすこともあるということを忘れず、
行動しよう、生きていきましょうというメッセージが表現されているように思います。
絵本の内容は幼児向けにつくられていると思いますが、
聖書の内容を理解するには時間がかかりそうです。
言葉がいかに相手を知り、理解するために大切なツールであるか、
また、たとえ言語が通じなくても、相手の気持ちに添う方法があるんだよということ、
神様を大切に思う気持ち、そしていい意味で偉くならないこと。
それをふんわりとでも感じとってもらえたらいいなと思いました。
あまり日本人は聖書になじみがない方だと思うので、
こういった絵本でわかりやすく子どものうちに触れる機会があるのは有難いなと
思います(*^-^*)
【文:佐久間彪 絵:かすや昌宏 出版社:至光社】