★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

わたしのおふね マギーB *アイリーン・ハース

f:id:kiko_book:20210312092039j:plain

わたしのおふね マギーB

マーガレットという少女がある夜お星さまにお願いしました。

 

自分の名前をつけた船に乗って、海を渡り、

 

船の中で誰か仲よしの人と一緒に暮らしたいのと。

 

そのまま眠りにつくと、目覚めた時、本当に船の上にいました。

 

願いが叶ったのです。夢のようです。

 

一緒に船の上に乗っていたのは弟のジェームス。

 

デッキの上ではおんどりが鳴きながら、歩いていて、

 

デッキの一番上には小さな畑もありました。

 

ヤギやヒヨコ、リンゴ、ももやオレンジの木まで何でもあります。

 

さっそく朝ごはんにオレンジを一つもぎとりました。

 

マーガレットは嬉しくて、おおはりきりで、船の上を掃除したり、

 

昼ご飯の支度をしたり、弟の世話に、大いそがしです。

 

お昼はお天気が良かったので、デッキの上でお弁当を持って、

 

ピクニックをしました。

 

夕飯は何にしようか?と考えていたら、良いことを思いつき、

 

バスケットにおいしいものをいっぱい収穫して、

 

海に網を下ろして、えびやきんいろのスズキをとり、

 

ちいさなストーブの上のおなべに、たくさんのやさい、魚介をいれて、

 

ぐつぐつとゆっくり煮込みました。

 

今晩はうみのシチューです。

 

やがてあたりは暗くなってきて、風も出て来ました。嵐の予感です。

 

ほを下ろして、船室に戻ると、オーブンでマフィンを焼き、

 

桃を切って、シナモンをふりかけ、一緒にオーブンにいれました。

 

あたたかいヤギのミルクで体もポカポカです。

 

夕ご飯のあとは、マーガレットがバイオリンを奏で、

 

ジェームスをゆりかごに寝かせました。

 

マーガレットもふかふかのベッドに入り、長い一日が終わりましたというお話です。

 

 

小さな子どもが、船で大冒険をするお話。

 

船室には畑もあり、陸上の動物も何匹か連れて、果物の木や、草花が生い茂り、

 

まるで小さな海の上の島に住んでいるよう。

 

絵本の中で出てくる食事やおやつがとても美味しそうで、

 

読んでいてわくわく、幸せな気持ちになる。

 

途中嵐がきても、小さな女の子が一人で、船を守ろうと、

 

おとうとを守ろうと奮闘する姿も勇気を与えてくれる。

 

夢がこれでもかっというぐらい詰まっている。

 

絵本の中もモノクロページと、極彩色のページを使い分け、

 

読者の五感を引き出すような演出がされていて、興味深い。

 

例えば船室で食事をつくっているページはモノクロのページになっていて、

 

料理を想像し、おいしい香りだったり、料理の味だったりを、

 

自由に読む側が想像して楽しむことができる。

 

《著者紹介》

作:アイリーン・ハース

アメリカ在住のデザイナー、イラストレーター。ニューヨーク市生まれのニューヨーク育ち。劇場の舞台、陶器、壁紙、生地、レコードジャケットなど、

さまざまなジャンルの仕事に才能を発揮する。雑誌や広告に描いたイラストレーションが編集者の目にとまり、すすめられて絵本の制作をするようになった。

1975年刊の本書は、初めて彼女自身が物語を書いた、アメリカでも評判の高い絵本である。絵本に『ベスとベラ』『つきあかりのにわで サマータイムソング』(ともに福音館書店)などがある。

※絵本より引用

【作・絵:アイリーン・ハース 訳:内田莉莎子 出版社:福音館書店

 


わたしのおふねマギーB (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)