★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ないしょのおともだち 

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ないしょのおともだち

大きなおうちに住む女の子と、その近くに小さなおうちに住むねずみの家族の物語。

 

二人とも、家族構成が同じで、同じような暮らしをし、

 

朝になればそれぞれ学校へ行きます。

 

ある日、女の子は食事中にスプーンを落として、拾おうとしたときに、

 

小さなねずみの女の子とパタリ目が合い、お互いの存在に近づく。

 

女の子はママに、ねずみはきたないから、絶対に近づいてはダメと言い聞かされており、

 

そしてねずみの女の子も、人間は怖い存在だから近寄らないようにと言われていました。

 

なので、女の子も、ねずみの女の子も、目が合ったことを、お互いに家族には内緒に

 

していました。

 

次の日も女の子はわざとスプーンを落とし、ねずみに手をふりました。

 

ねずみもフォークをわざと落として、女の子に手をふりました。

 

やがて、お互いに大人へと成長し、親しんだ家を旅立つことになりました。

 

女の子もねずみももう会えなくなりました。

 

やがて女の子はお母さんになり、家族と一緒に大きな家に住みました。

 

ねずみもおかあさんになりました。家族と一緒にとても大きな家のすみにある、

 

小さな家に住みました。

 

やがて女の子が産んだ娘が成長し、ねずみが産んだ娘が成長し、

 

ある晩女の子がベッドから読んでいた本を落とし、ねずみの子も同じときに、

 

本を落とし、お互いの存在に気が付きました。

 

それから毎日二人は本を落として、合図し、そっと距離が近づいていき、

 

ある晩、顔を合わせて、おやすみなさいと二人で言い合いましたというお話。

 

女の子と、ねずみの女の子の家族構成が同じで、部屋のつくりも似ていて、

 

距離感のある、微笑ましい楽しい交流が続きましたが、

 

大人になってその関係が一度途切れたと思ったら、ひょんなところからまた縁が生まれ、

 

その距離が少しずつ縮まっていく、なんとも可愛らしい物語。

 

シルバニアファミリーみたいで、おうちの構図が素晴らしく、レトロでかわいい。

 

ねずみのソファーは卵のパックに布が敷いてあり、ティパックがクッションだったり、

 

ビール瓶のふたや、人間の落とし物の小物を上手に壁に飾っていたり、

 

絵の隅々まで見ていて楽しくなる絵本。

 

右のページと左のページにそれぞれの家族、家、暮らしが描かれていて、

 

シンクロする暮らしと、二人の動きを見比べたり、

 

子どももないしょのお友達関係に、夢中でくいいって見ていました(*^-^*)

 

《著者紹介》

文:ビバリー・ドノフリオ

米国コネチカット州ウェズリアン大学卒業後、コロンビア大学の創作科で芸術修士を取得。自伝的小説『サンキュー、ボーイズ』はベストセラーとなり、ドリューバリモア主演で映画化もされた。『ないしょのおともだち』は、初めての子ども向けの作品。

これまで23の家に住んだことがあり、そのほとんどの家のすみに、ねずみの家もあった。

 

絵:バーバラ・マクリントック

米国ニュージャージー生まれ。ノースダコタ州のジェイムズタウン・カレッジで学び、

19歳で絵本作家になるためニューヨークに移る。日本で刊行されている本に、『ダニエルのふしぎな絵』(ほるぷ出版)、『シモンのおとしもの』(あすなろ書房)など。

いま住んでいるコネチカット州の家は1815年に建てられ、代々ネズミが住んでいる。

※絵本より引用

【作:ビバリー・ドノフリオ 絵:バーバラ・マクリントック 訳:福本友美子

 出版社:ほるぷ出版

 


ないしょのおともだち