カバさんが主人公のお話。カバは顔つきや、動作ものんびりとゆったりとした雰囲気で、
どちらかと言えば切れ者のイメージから遠い存在。
そんなカバくんが絵本『ぼちぼちいこか』の中で、色んな事に挑戦していく。
全部関西弁の語り口調なのですが、違和感ないどころか、それがとてもいい。
絵本では消防士になろうと梯子を上ったところ、梯子がカバの体重に耐え切れず、
折れてしまい、断念。
次に、船乗りに挑戦するも、船は真っ二つに折れて、海に沈没。
パイロットはどうだと挑戦したら、飛行機も折れて、
プロペラのついた先の方半分だけが空に飛んでいってしまう。
バレリーナは花のよう~と飛んで踊ってみたら、
着地したとたん床に穴をあけてしまう。
次に飛び込みの選手をかっこよく・・・飛び込んだプールの水が全部なくなってしまった。
バンドにはいって、チューバをひとふき、、、
チューバがびよーんと真上に伸びきってしまって、ふきすぎやったかとかばくん。
何に挑戦してみても、思い通りにはいかないことばかり、
最後のページは 『まぁ、ぼちぼちいこか。』と締めくくられている。
何かに挑戦して失敗すると、自分はだめだという考えてしまうところを、
自分がダメなんじゃなくて、やり方が違ったんだよという考え方に気づかさせてくれる一冊。
カバくんは何度もいろんなことがうまく行かないけれど、めげずに
『ぼちぼちいこか』と前を向き続ける姿が、勇気をくれる。
関西弁で語られているのも、度重なる失敗が深刻にならなくていい。
テンポがいい絵本(*^^)v
《著者紹介》
作:マイク=セイラー
1936年アメリカ・ロサンジェルス生まれ。物語やイラストをかき、作詞やテレビの演出も手がける多才な作家。絵本に『わゴムはどのくらい、のびるかしら?』がある。
画家:ロバート=グロスマン
1940年ニューヨーク生まれ。エール大学美術家卒業。
少年の頃から事業の印刷業を手伝い、学生時代には本や新聞の編集に携わる。雑誌『ニューヨーカー』の時事漫画の編集を経て、挿絵画家として活躍。
※絵本より引用
【作:マイク・セイラー 絵:ロバート・グロスマン 訳:今江祥智
出版社:偕成社】