カレーを作っている絵本だったり、おにぎりの絵本、サンドイッチの絵本、
パンケーキの絵本など、料理がメインに登場する絵本をいくつか読みましたが、
その料理から立つゆげが題材の絵本を見るのは初めてです。
ゆげ一つ一つの形、表情が違い、見ていて面白い。
またゆげの側には、必ず美味しい料理だったり、コーヒーだったり、お風呂だったり、
生活の一コマに登場する、あらゆるゆげが描かれている。
ゆげはなぜこんなに人を幸せにしてくれるのでしょう?
ゆげを囲む食卓には、家族みんなが座っていて、
お風呂の中にあふれるゆげは、ホッと体が温まる。
朝のお味噌汁に立つゆげ、たきたてごはんの上のゆげ、
ラーメンのゆげ、ほかほかの肉まんのゆげ、
ほっと一息つくコーヒーのゆげ、熱々のたこやきのゆげ、
ぐつぐつ煮える夕飯のおでんのゆげ、
お父さんと一緒にお風呂にはいると、広がる大きなゆげ、
どれも日常にあふれた、幸せなゆげたち。
ゆげの近くには、いつも人の幸せがあるんだなと感じる一冊。
美味しくて、温かくて、幸せな気持ちが立ち上る。
《著者紹介》
作:さいとうしのぶ
1966年大阪府堺市生まれる。嵯峨美術短期大学洋画科卒業。テキスタイルなどのデザイナーを経て、インターナショナルアカデミー絵本教室に学ぶ。現在、絵本創作を続けながら、手作り絵本を広める活動をしている。『子どもと楽しむ行事とあそびのえほん』
(文・すとうあさえ/のら書店)で第55回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。『わらべうたであそびましょ!』(のら書店)など他多数。
※絵本より引用