★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

くるみのなかには *たかおゆうこ

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くるみのなかには

くるみ、どんぐりを手で持って、耳の側で揺らして、中から聞こえてくる音を必死に

 

拾おうとしていたあの頃。

 

見えないものは、ちょっと覗いてみたくなる。

 

貝、カタツムリ、ミノムシ、ホオズキざくろ、梅干しの種の中、エンドウ豆、

 

中に何がはいっているのだろう?と、よく中をこじ開けたくなったもの。

 

くるみは中を簡単に開けることが出来ない。見えないからこそ広がる想像力。

 

 

”ゆらしてごらん”という一文に誘われて、

 

”もし、シャリン チリン・・・・といいおとがしたら、

 

なかには ちいさな ちいさな たからもの。

 

金のりんごやハープや壷。銀の手鏡や鳥かごが詰まっている。

 

みつけてごらん

 

もし、りすがかくした くるみなら

 

それはりすの さいほうばこ

 

ちいさな はりさし ちいさな はさみ

 

よくみてごらん

 

もしちいさな ドアがついていたら、

 

中には老夫婦が幸せに暮らす小さな部屋かもしれない。

 

もし、おとも なく

 

しっとりと おもたかったら

 

そっと つちに うめてごらん

 

くるみは みずを すって ねを おろす

 

ひかりに むかって めを のばす

 

なんねんも なんねんも かけて おおきくなる

 

はるに なると きみどりいろの ふさのはなと

 

ちいさな クリームいろの はなが さく

 

やがて あきになると たくさんの みを みのらせる

 

ぽとん ぽとん・・・・

 

おちた みから あらわれたのはーーーー

 

あたらしい くるみ!

 

たくさんの くるみ!

 

くるみのなかには なにがある?

 

てに のせて みみを すませて”

 

くるみの中に広がる世界、くるみの外に広がる世界。

 

実った小さなくるみの中の一粒、一粒に世界があり、

 

まだ見つけていない宝物が隠れているような、

 

ふつふつと想像力、好奇心が沸き上がる一冊。

 

 

《著者紹介》

作:たかおゆうこ

東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。玩具メーカーの企画デザイン室を経て、渡来。カリグラフィー、水彩画、銅版画などを学ぶ。

絵本に『ハムスターのハモ』『ハモのクリスマス』『チュウとチイのあおいやねのひみつきち』(福音館書店)、『さんびきのこねずみとガラスのほし』(徳間書店)、

『プリンちゃん』シリーズ(理論社)、『ねばらねばなっとう』(ひかりのくに)、

挿絵の仕事に『ねずみの家』(徳間書店)、『クリスマスのりんご』(福音館書店)、

『雨がしくしく、ふった日は』(講談社)など多数。

※絵本より引用

【作:たかおゆうこ 出版社:講談社

 

 


くるみのなかには (講談社の創作絵本)