★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

こしぬけウィリー *アンソニー・ブラウン

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ハエも虫も殺せないウィリー。

 

道を歩いている時には、虫を踏みつぶしてしまわないか心配。

 

誰かと通りすがりにぶつかっってしまったら、

 

必ず、『すみません、ごめんなさい!』

 

自分がたとえ悪くなくても、先に謝る。

 

チンピラにつかまったときも、

 

『ごめんなさい』

 

自分が殴られているのにも、謝る。

 

みんなこしぬけウィリーと呼んでいる。

 

ウィリーはそう呼ばれるのがとても嫌だった。

 

ある日こしぬけおさらば!のチラシを見つける。

すぐにそのチラシの住所にお金を送り、ある日とうとう小づつみが届いた。

 

中を見ると、まず最初は体操。

 

決められた分量の食事。山積みになったバナナに埋もれたウィリー。

 

エアロビクスの教室に通って、

 

ボクシングを習い、

 

ボディービルをやり、

 

ウェイトリフティング。

 

体を鍛え、みるみると大きくなり、たくましい身体になり、

 

ウィリーは鏡をみて、しんそこ満足した。

 

そこで町に出た。

 

チンピラに襲われてかけているミリーを助け、

 

ミリーに『あなたはわたしのえいゆうよ。ウィリー』と言われ、

 

ウィリーは誇らしかった。

 

『ぼくはこしぬけなんかじゃない!』

 

『すみません、ごめんなさい!』と電信柱と正面衝突して謝るウィリー。

 

子どもに読み聞かせしていると、最後のこのオチにゲラゲラと声を上げていました。

 

絵だけでも、ウィリーの体つきがみるみる変化していく姿。

 

強くなっていく姿がとても面白い絵本。

 

何か出来なくて、諦めてしまうのではなく、諦めずに、強く立ち向かう心を、

 

コミカルに描いている一冊です!

 

《著者紹介》

作:アンソニー・ブラウン

1946年、イギリスのシェフィールド生まれ。リーズ美術大学グラフィックデザインを学びました。グリーティング・カードの制作を経て、絵本作家としてデビュー。最も優れた絵本作家の一人として、世界中に認められています。

子どものための30冊をこえる作品のうち、ケイト・グリーナウェイ賞を2回、カート・マシュラー賞を3回、国際アンデルセン賞画家賞、などを授与される栄誉に輝いています。彼の作風は、機智にに富み、シュール・レアリスムを駆使した知的興奮をよぶものとして賞賛され、子どものおそれや不安に、深い理解を示すものとして知られています。

※絵本より引用

【作:アンソニー・ブラウン 訳:久山太市 出版社:評論社】

 


こしぬけウィリー (児童図書館・絵本の部屋)