★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ぼくがすきなこと

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子どもの頃、自分の周りには大好きなことや、おもしろいものがいっぱいあった。

 

大人になるにつれて、大好きなものに出会う機会がなくなったのか?

 

それとも見つけるのが下手になったのか?

 

大好きなものを全部見つけてしまったからなのか?

 

なかなか心ときめくものに出会えないという人も多い。

 

この絵本は、もういちど自分の好きなもの、心地いいものを見つける目を、

 

心に気づかせてくれる一冊だと思う。

 

絵本の中で子どものボクが、好きなことを紹介してくれる。

 

僕の好きなことは、自分の子ども頃好きだったことにもリンクしていて、

 

とても懐かしい気持ちが蘇る。

 

 

”僕がすきなこと。むらさきいろにみえる しゅんかんの あさやけ。

 

かがみとかがみを あわせると できる、どこまでも つづく ふしぎな トンネル。

 

ひなたのほこり。

 

かがみで、おひさまのひかりをてらすこと。ねこが おいかけるのが おもしろい。

 

シャボン玉をふくますと、ほら、にじが できる。

 

つゆくさや あさがおで つくった いろみず。

 

やねからおちる あめを バケツやあきかんでうける。おんがくみたい。

 

まどガラスを つたわる あまつぶの競争。

 

どっちが先に おちていく?

 

バケツにみずをいれて、ぐるぐる まわすこと。

 

こぼれないように、まわすんだ。

 

やしのきみたいな こけを じっと みていたら、

 

なんだか きょじんに なったみたい。

 

せんろとせんろが、まじわっているところ。

 

よくしゃりんがまちがえないよね。

 

とこやさんのみせさきの ねじりんぼう。

 

あか しろ あおの しましまが どんどん でてきて どんどこ きえていくところ。

 

ノートのはじっこにかいた パラパラマンガ。

 

スプーンのせなかのほうは ちゃんと うつるのに、 すくうほうは、

 

さかさまになっちゃう。

 

おふろにはいったときに、手がしわくちゃのぶどうみたいになる。

 

ふしぎなこと、おかしなこと、そんなことが、おもしろい。

 

ぼくがすきなこと。こんなこと”

 

子どもの感性は豊かだ。固定概念がなく、

 

なんでも自分が面白いと思ったものを素直に吸収していく。

 

大人はそれを、また子どもから教わる。

 

自分の子どもの頃には戻れない。通ってきた道なのに、あの頃には戻れない。

 

この絵本を読んでいると、タイムスリップして子どもに戻ったような、

 

懐かしい記憶が蘇ってくる。

 

《著者紹介》

文:中川ひろた

1954年、埼玉県生まれ。シンガーソング絵本ライター。5年間千早子どもの家保育園に

保父として勤務。1987年、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」「にじ」などは、たくさんの子どもたちに歌われている。1995年、「さつまのおいも」(童心社)で絵本デビュー。

絵本「ないた」(金の星社)で第10回日本絵本賞大賞を受賞。作品に、「うそ」「なぞかけどうじょう」(ともに金の星社)「ことわざショウ」シリーズ(ハッピーオウル社)「おたんじょう月おめでとう」シリーズ(保育社)など多数。ほかに、A1あそびうたGP、C1カロムGP、D1だじゃれGP、みんなともだちプロジェクトなどを主宰。

 

 

絵:山村浩二(やまむらこうじ)

1964年、愛知県生まれ。アニメーション作家・絵本画家。東京造形大学絵画科卒業後、

多彩な技法で短編アニメーションを制作。「頭山」がアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネート、6つのグランプリを受賞、「カフカ田舎医者」では7つのグランプリなど、国際的な受賞は80を超える。2012年川喜多賞、」2014年ヴィースバーデン市文化局賞受賞。絵本に、「くだもの だもの」「おやおおさい」「おかしなおかし」(いずれも福音館書店)「雨ニモマケズ Rain Won’t」(今人舎「ん」講談社

ゆでたまごひめとみーとどろぼーる」(教育画劇)ほか。さし絵に、「妖怪一家九十九さん」シリーズ(理論社)など。比治山大学短期大学部客員教授東京造形大学客員教授東京藝術大学大学院映像研究科教授。

 

※絵本より引用

【文:なかがわひろたか 絵:山村浩二 出版社:ハッピーオウル社】

 


ぼくがすきなこと