★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

からすのパンやさん *かこさとし

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いずみがもりにはたくさんのカラスが暮らしていて、

 

山の木の上にからすのパン屋がありました。

 

そのカラスのパン屋さんに4羽の赤ちゃんが生まれ、

 

パパとママは早起きして、パンを作りますが、その途中で赤ちゃんが泣いたり、

 

ご飯を上げたり、お世話に追われ、パンが焦げたり、生焼けになってしまったり、

 

てんてこまいの毎日。

 

毎日お母さんがお店の掃除をしていましたが、

 

赤ちゃんが生まれてからは掃除する時間もありません。

 

だんだんとお客さんが来なくなり、生活はますます苦しくなりました。

 

からすのお父さんも、お母さんも心配しましたが、

 

子どもはすくすくと元気に育っていきました。

 

お父さんもお母さんも必死に働き、

 

焦げたパンや、生焼けの売れないパンは、子どもたちのおやつに。

 

子どもたちがいつものようにパンを食べていると、森のからすの子どもたちが

 

集まって来て、他のお友達にパンをあげました。

 

お友達は美味しいと、今度買いに行くね!と約束してくれました。

 

カラスのパン屋さんは、子どもたちのためにたくさんのパンを焼きました。

 

翌日、大勢の子供たちがおやつパンを買っていきました。

 

もっといろんな種類のパンが食べてみたいと、要望を受け、

 

からすの親子は、どこにもない、変わった形の美味しい、めずらしいパンを

 

考えました。

 

こうばしい匂いが森を包み、

 

カラスがいっぱい集まってきました。

 

カラスのパン屋さんは大繁盛で、立派なパン屋さんになりましたというお話。

 

 

とにかく、見たこともない、思いつかないようなパンがたっくさん登場します。

 

子どもはテレビパンと、バイオリンパンを気に入っていました。

 

私は歯ブラシパンが気になりました笑

 

この絵本はパンの美味しいさ、ユニークさだけでなく、

 

子育てパパ&ママのリアルな日常が描かれています。

 

子育てに忙しくて、いつもはキレイにできていたお店の掃除が行き届かなかったり、

 

パンが焦げたり、はんやきだったり、

 

フルで働けない分、収入が減ったり、でも子どもは心配をよそに、

 

たくましく元気に育っていく。

 

途中は親の私が共感しながら、読んでいました笑

 

そして子どもたちは、いつしかお店を手伝ってくれるまでに成長し、

 

子どものやわらかい発想から生まれた新しいパンたち。

 

何よりの財産です。

 

今まで出会ったことのないパンを見つけ、親子で楽しく読むだけでなく、

 

子育て世代の親を応援してくれるような絵本です。

 

子ども、パパ、ママみんなが元気に笑顔になれる一冊です。

 

 

《著者紹介》

作:かこさとし加古里子

1926年福井県武生に生まれる。

1948年東京大学工学部応用化学科卒業。工学博士。技術士(化学)。民間化学会社研究所勤務のかたわら、セツルメント運動、児童会活動に従事。1973年会社を退社した後は、児童文化と児童問題の研究のかたわら、テレビのニュースキャスター、大学講師、

海外での教育実践活動などに従事。また児童文化の研究者でもある。

作品は、物語絵本、科学・天体・社会関係の知識絵本、童話、紙芝居など多岐にわたり、500点以上。主な作品に『かこさとしおはなしのえほん』シリーズ『ピラミッド』

『うつくしい絵』(偕成社)、『だるまちゃん』シリーズ『かわ』『梅』『とこちゃんはどこ』(福音館書店)、『かこさとしからだの本』シリーズ(童心社)、『伝承遊び考』(小峰書店)などがある。2008年菊池寛賞受賞、2009年日本化学会より、特別功労賞を受賞する。

※絵本より引用

【作:かこさとし 出版社:偕成社

 

 


からすのパンやさん (かこさとしおはなしのほん) [ 加古里子 ]