★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ふたごのき

 

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北の国の、とある丘の上に立つ、ふたごの木。

 

木は動物のように、自分の意思で行きたいところへ行って、

 

暮らしたり、会いたい人に会いにいったり、旅をしたりすることは難しい。

 

いつも同じ場所で、季節を感じながら、小鳥や、動物や人が、

 

休みにきたり、遊びにくるのを待っている。

 

そんなふたごの木はいつも、二人で何を話しているのだろう?

 

何を思っているのだろう?

 

”えだのさきが つめたいね

 

でも、ねっこはあたたかいわ。

 

つちが あたためてくれるから。”

 

やがて春が来て、

 

”きみのはなが さいたよ。

 

あなたのはなも さいているわ。

 

きみのはな とてもきれいだ。

 

あなたのはなも とてもきれい。

 

じぶんのはなは みえないけど

 

きみのはなが みえるから いいな。

 

 

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”うまれるまえのことを ぼく おぼえているよ。

 

どんなこと?

 

そらをとんでいた。

 

まさか。

 

ことりの おなかのなかに いたのさ。

 

ぼく たねだったんだ。”

 

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”わたしたち きも あくびをするって

 

にんげんは しってるかしら。

 

わたしたち きも のびをするって

 

にんげんは しってるかしら。”

 

”ねぇ ぼくたちは いつしぬのかしら?

 

かぜに きいてごらん。

 

かぜは しってるの?

 

そらに きいてごらん。

 

かぜが しってるかどうか。

 

そらは しってるの?

 

ほしに きいてごらん。

 

そらが しっているかどうか。”

 

”はるになれば ぼくたちのえだに ことりは すをつくる。

 

ぼくたちの まわりで きつねのこが あそぶ

 

はるに なると ぼくたちのしたで こいびとたちは あいしあう。

 

ぼくたちのはかげで たびびとは あまやどりをする・・・・・・・”

 

木や自然はいつも無条件に私たちに与え続けてくれる。

 

誰にも隔たりなく、いつもウェルカムと言っているように。

 

文句ひとつ言わず、木陰をつくってくれる。

 

木の実を動物たちに分け与えてくれる。

 

いつもどこへにも行かず、ただただその場所に居続けてくれ、

 

それがたくさんの人の癒しになる。

 

このふたごの木は、2本で同じ場所に立っていて、近くに他の木はない。

 

たった2本だけ。

 

寄り添って、お互いに移り変わる季節を、一緒に感じ、

 

沢山の言の葉を、交わしているのかもしれない。

 

とても美しく、優しい気持ちになれる一冊。

 

大人にも子どもにもおすすめの写真絵本です。

 

《著者紹介》

文:谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)

1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。

1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。

以後、数多くの詩作にとどまらず、テレビアニメ『鉄腕アトム』の主題歌などの作詞、

スイミー』(好学社)をはじめとする多くの絵本や『マザー・ダースのうた』(草思社)、『スヌーピー』(角川書店)の翻訳、また『もこ もこもこ』(元永定正・絵/文研出版)、『これはのみのぴこ』(和田誠・絵/サンリード)など絵本創作の分野においても、幅広く活躍。日本を代表とする詩人として世界に知られている。

 

写真:姉崎一馬(あねさきかずま)

1948年、東京に生まれる。学生時代より自然保護、環境保護に関心を持ち、

自然写真家となる。1995年から山形県朝日連峰山麓で、ボランティアによる子どものための自然体験の場『わらだやしき自然教室』をはじめる。主な著書に、絵本『はるにれ』(福音館書店)、『雑木林』『ブナの森』『ヤマケイポケットガイドー野山の樹木』『姉崎一馬の自然教室』(山と渓谷社)、『日本の森大百科』(阪急コミュニケーションズ)などがある。

※絵本より引用

 

 


ふたごのき