★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

みずたまりにやってきた *細川剛

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雨によって、持たされたギフト。

 

水たまり、虹、草木にぶら下がる雫の美しさ、雨の臭い、湿った風。

 

大人になって、みずたまりを見つけると、よけて歩いてしまうけれど、

 

子どもの頃は、水たまりは最高の遊び相手だった。

 

まず、自分の顔を写してみる。鏡みたい。

 

水たまりにうつる空を見て、空が落ちてきたんだと思っていた。

 

そこに、長靴の先を入れると、静かに広がっていく波紋。

 

楽しくて、ドキドキして、そのまま長靴でジャブジャブ。

 

それだけじゃもの足りなくて、裸足になってジャブジャブ。

 

泥のヌメリっとした、ぬるい柔らかさに、鳥肌がたった。

 

夜のみずたまりは、真っ黒で、ブラックホールのよう、

 

そこに足を踏み入れてしまったら、どこまでも落ちて行ってしまいそうな、

 

黒くて、深い、落とし穴のよう。

 

絵本には、雨上がって空が晴れた日の水たまりや、

 

夕焼け空に染まったピンク紫色の水たまりや、

 

夜の星空が浮かぶ水たまり、

 

それから日に日に枯れていく水たまりの様子。

 

水たまりに集まる鳥たちや、大きなタイヤの轍のあと、

 

ろんな足跡ができて、乾いていく。

 

だんだん、みずたまりが、ちいさくなっていく。

 

そして、みずたまりが、消えた。

 

でも、あるひ また雨がふってきたら、

 

みずたまりがもどってきた。

 

みずたまりに きょうは だれが くるのだろう?

 

雨のいい思い出が、思い出される水たまりの定点観察をした写真絵本です。

 

大きな水たまりなほど、心が躍った記憶が鮮明に蘇ってきました。

 

【作:細川剛 出版社:福音館書店