いつもしっかり者のおねぇちゃん。
小さな妹の面倒をよくみるおねえさん。
学校にいくときも、手をつないで、一緒に横断歩道をわたってくれ、
お裁縫をするときも、ちゃんと針が使えているか、ハサミが使えているか、
ねえさんは、ずっと見守っていてくれる。
なにから何まで、手取り、足取り教えてくれます。
ねえさんに出来なき事、知らない事はないんだと妹は思います。
どこに行くにも、おねえさんがいつもそばにいてくれて心強い。
でも、時には一人で遠くへ出かけてみたいと妹は思う。
たったひとりで色んなことをしてみたいし、色んなところへでかけてみたい、
冒険してみたいと思いました。
こっそり一人で出かけてみる。
お家を出て、お庭を出て、道をどんどん歩き、草原の中に隠れました。
姉は妹がいなくなったことに気が付き必死で探します。
ねえさんの私を呼ぶ声が聴こえてきます。
何度も何度も、妹の名を呼びます。
でも私は返事をしませんでした。
妹はそぉっと姉を見ています。
すると、いつもしっかりしていて、頼もしいおねえちゃんが、泣きだします。
まるで、いつものわたのように、泣いています。
妹はいつもねえさんがしてくれるみたいに、
おねえちゃんのかたに手をおいて、励まします。
それは、すべて、今までねえさんがわたしにしてくれたことです。
いもうとは、ねえさんのなみだをふいて、
『おうちにかえろう』と声をかけました。
微笑ましく、ほっこりとする姉妹のお話です。
姉妹の関係も少しずつ変化し、大人になればその年齢の差は、
ほとんど関係ありません。同じように出来るし、
同じように思うし、この日を境に、お互いがお互いを助け合う関係に
なった姉妹。
姉妹のちょっとした小さな成長を、描いています。
これからも姉妹は成長し続ける、関係は発展していくのだろうなと
思いながら、懐かしい気持ちと、互いが成長し、関係性が変化していく、
喜びと切なさを感じながら読み聞かせしました☆彡
元々の原作があり、それを酒井駒子さんが読んで、自分のフィルターに通して、
絵と翻訳で表現した本作です(*^-^*)
《著者紹介》
文:シャーロット・ゾロトウ
1915年、アメリカ・ヴァージニア州ノーフォークに生まれる。
児童文学作家、詩人。主な作品に『うさぎさん てつだってほしいの』(M・センダック/絵 富山房)、『かぜは どこへいくの』(H・ノッツ/絵 偕成社)、
『はるになったら』(G・ウィリアムズ/絵 徳間書店)、『おにいちゃんといもうと』
(はたこうしろう/絵)『そらは あおくて』(杉浦さやか/絵共にあすなろ書房)など多数。2013年没。
絵・翻訳:酒井駒子
1966年、兵庫県に生まれる。絵本作家。『きつねのかみさま』(あまんきみこ/
文 ポプラ社)で第9回日本絵本賞、『くまとやまねこ』(湯本香樹実/文 河出書房新社)で第40回講談社出版文化賞を受賞。『森のノート』(筑摩書房)、『よるくま』
『はんなちゃんがめをさましたら』(偕成社)、『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)など、多くの作品がある。
※絵本より引用
【作:シャーロット・ゾロトウ 絵・訳:酒井駒子 出版社:あすなろ書房】