★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ねえさんといもうと 

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いつもしっかり者のおねぇちゃん。

 

小さな妹の面倒を良くみるおねえさん。

 

どこに行くにも、おねえさんがいつもそばにいてくれて心強い。

 

でも、時には一人で遠くへ出かけてみたいと、

 

こっそり一人で出かけてみる。

 

姉は妹がいなくなったことに気が付き必死で探します。

 

妹はそぉっと姉を見ています。

 

すると、いつもしっかりしていて、頼もしいおねえちゃんが、泣きだします。

 

妹はいつもおねえちゃんがしてくれるみたいに、

 

おねえちゃんのかたに手をおいて、励まします。

 

微笑ましく、ほっこりとする姉妹のお話です。

 

”がっこうに いくときは、

 

てを ひいて、みちを わたらせてくれますし、

 

くさはらに いくときは、

 

いもうとが まいごに ならないよう、

 

こんなふうに してくれました。

 

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おさいほうを、するときは、

 

はりに ちゃんと いとが とおっているか、

 

ちゃんと はさみが つかえているか

 

ねえさんは、ずっと みててくれます。

 

ねえさんは、なにから なにまで せわを してくれます。

 

ねえさんに できないことなんて ないんだ、

 

と いもうとは おもっていました。

 

いもうとは、ときどき、ないてしまうことが あります。

 

そんなとき、ねえさんが いつも なきやませて くれます。

 

ねえさんは、やさしく かたを だいて、

 

そして、こういうんです。

 

『さあ、おはな チンして』

 

ねえさんは、なんでも しってるんです。

 

『そうじゃないわ』

 

『こうよ』

 

いもうとは、そのとおりにします。

 

ねえさんが、こまったり することなんて ありません。

 

ねえさんは、なんだって しっているんですかね。

 

でも、あるひ。

 

いもうとは、なんだか ひとりになりたいと おもいました。

 

『さあ すわって』

 

『あっちよ』

 

『こっちよ』

 

『さあ おいで』

 

と いわれるのに、あきあきしたのです。

 

それで、ねえさんが、おやつのレモンネードと クッキーを

 

よういしている あいだに、いもうとは そうっと・・・・

 

おうちを でて、

 

おにわを、でて、

 

みちを、どんどん あるいていって・・・

 

くさはらの なかに、はいっていきました。

 

いもうとの すがたは、のぎくや はっぱが かしてくれました。

 

まもなく、ねえさんの よぶこえが、きこえて きました。

 

ねえさんは、なんども なんども いもうとを よびます。

 

でも、いもうとは へんじを しません。

 

よんでるこえが、おおきくなって・・・

 

それから、ちいさくなっていきました。

 

ねえさんは むこうへ いってしまったのでしょう。

 

ほら、とおくで よんでる ねえさんの こえ・・・。

 

いもうとは、のぎくのなかに、ねころんでみました。

 

そして、レモネードと クッキーについて かんがえました。

 

いもうとは、ねえさんが よんでくれると いった

 

ほんのことを、かんがえました。

 

それから、

 

『さあ すわって』

 

『あっちよ』

 

『こっちよ』

 

『さあ おいで』

 

と いっている ねえさんのことを、かんがえました。

 

いまは、だれも なにも いいません。

 

おひさまの ひかりの なか、

 

のぎくが、ゆらゆらと ゆれています。

 

すぐそばで、おおきなハチが、ブンブンと うたっています。

 

あしもとの くさが くすぐったくても、

 

いもうとは じっとしていました。

 

ねえさんのこえが、もどってくるのが、きこえました。

 

こえは、どんどん どんどん どんどん ちかづいてきて、

 

とつぜん、あんまり そばに ねえさんが きていたので、

 

いもうとが てをのばせば、さわれそうなほどでした。

 

ねえさんは、のぎくの なかに すわりこみました。

 

そして、いもうとを よぶのを やめて、なきだしました。

 

ねえさんは、しくしく しくしく ないています。

 

まるで、いつもの いもうと みたいに。

 

いもうとが ないたとき、ねえさんが、なぐさめてくれました。

 

なのに、ねえさんには、だれも いません。

 

だれも かたを だいてくれたり、

 

ハンカチで なみだを ふいてくれたり しません。

 

ねえさんは、ただ ひとりぼっちで ないていました。

 

いもうとは、たちあがりました。

 

ねえさんは、きがつきません。

 

あんまり ひどく ないていたので。

 

いもうとは、ねえさんのかたに てを おきました。

 

そして、やさしく、いいました。

 

『さあ、おはな チンして』

 

ねえさんは、そうしました。

 

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いもうとは、ねえさんを だきしめました。

 

『どこに いたの?』

 

ねえさんは ききました。

 

『いいの』

 

いもうとは いいました。

 

『おうちにかえって レモネードのもうよ』

 

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そのひから、いもうとと おねえさんは、

 

おたがいに めんどうを みるように なりました。

 

なぜって、いもうとは、ねえさんのおかげで、

 

いまでは もう どうすればいいか、

 

わかるように なっていたからです。”

 

《著者紹介》

文:シャーロット・ゾロトウ

1915年、アメリカ・ヴァージニア州ノーフォークに生まれる。

児童文学作家、詩人。主な作品に『うさぎさん てつだってほしいの』(M・センダック/絵 富山房)、『かぜは どこへいくの』(H・ノッツ/絵 偕成社)、

『はるになったら』(G・ウィリアムズ/絵 徳間書店)、『おにいちゃんといもうと』

(はたこうしろう/絵)『そらは あおくて』(杉浦さやか/絵共にあすなろ書房)など多数。2013年没。

 

絵・翻訳:酒井駒子

1966年、兵庫県に生まれる。絵本作家。『きつねのかみさま』(あまんきみこ/

文 ポプラ社)で第9回日本絵本賞、『くまとやまねこ』(湯本香樹実/文 河出書房新社)で第40回講談社出版文化賞を受賞。『森のノート』(筑摩書房)、『よるくま』

『はんなちゃんがめをさましたら』(偕成社)、『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)など、多くの作品がある。

 

※絵本より引用

 

 


ねえさんといもうと