★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

だから? *ウィリアム・ビー

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初めに断っておきます笑

 

私はこのブログでは、絵本の読み聞かせにおすすめな本の紹介を主にしてきましたが、

 

今回ご紹介する絵本は、読み聞かせに正直躊躇する内容です(*‘∀‘)

 

ただ、『これを絵本にしちゃうの?』っていう面白さがこの絵本にはあり、

 

ブログで紹介することにしました。

 

でも決して、読み聞かせにおすすめとは言えない作品です。

 

ご了承いただいた上で、お付き合いいただけたら幸いです☆彡

 

黄色い表紙の真ん中にいるのがビリー。

 

ビリーにそっくりなパパ。

 

"なにをしてあげても、ビリーは よろこびません。

 

こんなに せが たかい いきものをみせても、

 

かならず こういいます。

 

『だから?』

 

こんなに ちいさくて きれいな  ちょうちょを みせても、

 

きっと こういいます。

 

『だから?』

 

こんなに くるんくるんの めずらしいらっぱを ふいても、

 

『だから?』

 

こんなに ぼよんぼよんの おしりで とびはねたって、

 

『だから?』

 

こんなに けむり もくもくの きしゃに のせたって 

 

『だから?』

 

うちゅうの はてまで つれていって あげたとしても、

 

やっぱり こういうはずです。

 

『だから?』

 

せかいで いちばん はらぺこの とらを みせても、

 

『だから?』”

 

トラはビリーを食べてしまいました。

 

”『パパ、たすけて。ぼくはここだよ』”

 

トラのお腹の中からビリーの声が聴こえます。

 

パパが今度は、

 

”『だから?』”

 

という想像もしていなかった結末。

 

あまりにシュールすぎて笑えません(*_*;

 

読書のいろいろな気持ちが置き去りにされてしまったような不思議な感覚。

 

確かに、育児をしていると、

 

『だから、何?』

 

って時にいいらいいたくなることあるけど、

 

子どもが目の前でアクシデントが起きたら、ビリーのパパのように、

 

冗談で返せないぐらいアタフタしてしまうもの。

 

子ども目線でいくと、親が喜んでくれるだろうとやっているものも、

 

心配も愛情も、時には押しつけがましく感じているのかもしれないし、

 

なんともモヤモヤ、ゾクゾクする作品。

 

『だから?』の持つ言い方ニュアンスで、どんな風にも転がるような絵本だと思います。

 

とにかく衝撃的な結末と、妙に、親も子も共感できてしまうところもあって、

 

そこがゾクゾクするところなのかなと思います。

 

【作・絵:ウィリアム・ビー 訳:たなかなおと 出版社:らんか社】

 

 

 


だから?