お母さんの背中はあったかい。
お母さんの大きな背中がぼくは大好き。
ふかふかだから。あったかいから。ほっとするから。
お母さん眠っているの?
はっぱのいろが あっちも、こっちも かわってきました。
まるい穴の開いたはっぱを見つけたよ。
なんで穴が開いているのかな?
虫が食べたのかな?
葉っぱの穴から、のぞくと、
笑っているお母さんが見える。
空も見えるし、鳥も見える。
雨粒も見える。
木の下で雨宿り。
お母さんのに乗って、
雨が止むのをいっしょにまつ。
水だまりにボクとママの顔が写る。
たくさんの水たまりの中に、ボクとママがたくさんいる。
ママ、手をつなごう、だっこして、
ぼくの宝物のはっぱ、ママにあげるよ。
空に星がたくさん見えるよ。
おかあさんのうでのなかは、ふかふか。
お母さんの記憶の中なのか、子どもの頃の記憶をたどったのか、
とても温かいホットしたものに、包まれたような心地になりました。
銅版画で描かれた、毛がふかふかと立体感が浮かびあがり、
こぐまが、ママに甘えて、背中にべったりくっつくしぐさや、
抱っこや、手をつないだり、自分が見つけたとっておきのことを、
ママと共有しようと、見てみて~としきりに話しかけるシーンに、
とても癒されます。
愛情をたっぷり感じられる、一冊です(*^-^*)
《著者紹介》
作:おのかつこ
武蔵野美術大学卒業後、ステーショナリーの企画デザイナーを経てフリーに。
第8回ニッサン童話と絵本のグランプリ優秀賞受賞、第2回小学館おひさま大賞佳作を
きっかけに雑誌などに絵と文が掲載されるようになる。2009年より銅版画を始め、13th
losif lser国際現代版画展2019入選(ルーマニア)など、国内外で入選・受賞多数。
近年は、雑誌『児童文芸』の表紙、童話集の挿絵などを銅版画で制作。本作が初めての
絵本出版となる。一般社団法人日本児童文芸家協会会員。
※絵本より引用
【作:おのかつこ 出版社:国土社】