かっこいい勇敢な消防士になるためには、どうしたら慣れるだろう。
ぼくは、消防車のことも詳しいし、
消防士の訓練や、火の消し方、火の怖さだって知っているつもり。
さっと準備をして、1秒でも早く現場に駆け付ける。
仕事は火を消すだけではない。
時には高い木に登って降りれないネコを助けたり、
ロープにつかまってすばやく登ったり下りたり、
高いところだって怖くないさ。
水だって平気さ。
みんなで助け合って、危険な現場で安全に仕事をするんだ。
いつでも、どこでも一所懸命に働く。
みんな、バイバーイ。
最後のページは、幼稚園の教室の中で、
消防車や、段ボールに消防署をマジックで描いて遊んだ形跡があり、
教室にいるほかのお友達にバイバイをして帰るシーンで終わっています。
今までのページはこの男の子の願望、夢、想像を語られていたことがわかります。
子どものごっこ遊びのときの頭の中を、こっそりのぞいたような作品になっていて、
絵本の字体も、丸いフォルムで、手書きのような柔らかい風合いで、
子どもの言葉で語っているように、表現されています(*‘∀‘)
そして作者は、実際に子どもの頃から消防士になりたくて、
大人になって夢を実現しています。
子どもの頃の熱い想いが、こうして作品になったのかもしれません。
子どもが共感して読める絵本だと思います!
《著者紹介》
作:トンマーゾ・ブルキエッティ
消防士。子どものころから消防士になりたいと願いつづけ、
その夢ををかなえた。大学では森林科学の学位を取得。常に熱意と誇りを持ち、
優秀な消防士を目指して仕事に取り組んでいる。
絵:シルヴィア・バロンチェッリ
イラストレーター。子どものころから絵を描くのが好きだった。
フィレンツェ美術学校に通った後、ロンドンに移り、大英博物館でアーティスト・イン・レジデンス(アーティストを一定期間招いて、滞在中の活動を支援するプログラム)に参加して活動する。現在はイタリア・プラート在住。国内外の数多くの出版社や子ども向け雑誌にイラストを提供し、グラフィックデザイナーとしても活躍している。
【作:トンマーゾ・ブルキエッティ 絵:シルヴィア・バロンチェッリ
訳:もたいなつう 出版社:福音館書店】