ぼく・・・おかあさんのことが・・・嫌い。
だってねぼすけで、日曜日の朝は、いつまでも寝ている。
ぼくは、もっとママと遊びたいのに。
ドラマばかりみて、漫画みせてくれないし。
すぐ、怒るし。
はやくしなさい、が口癖で、その割に、
ママは、道端で近所の知り合いにあうと、
ながながと立ち話してて、ぼくが早くかえろうというのに、
ずっと話していて、自分はゆっくり。
勝手なんだから大人は・・・
園のお迎えも来るのが遅いし、
それから、それから、それから、
ボクとは結婚できないっていうし。ぼくはママとしか結婚したくないのに。
だから、きらい。
きらいの理由を上げたらきりがない。
それぐらいぼくは、ママの事が大好き。
もう、こんなママとはおわかれしよう。
ぼくは、どこまでも、ひとりでいちゃうよ。
さよなら、ママ。
部屋をでてすぐに、ボールを持っていくの忘れたのを思い出して、
戻る。(ママにもういちど会いたくて。)
ママ、またぼくに会えてうれしい?というお話。
思わずそばにいる子どもをぎゅっと抱きしめたくなる作品。
子どもの視線から語られるお話で、子どもから見ると大人の不条理さをこうしてみると、
あらためて感じざる負えない。
親になってみて、休日に寝坊したい気持ちもわかるし、
ちょっとドラマだってみたい、自分の時間が少しでいいから欲しい気持ちもわかる。
子どもには見たいものを制限したり、時間も決めていたりするのに矛盾。
近所の人と立ち話に花咲かせたり、きっと大人が勝手にみえているだろう。
そうだよね、ごめんね。という気持ちと、
ママも毎日精いっぱいなんだよ。
きみのことが大好きなんだよ。と伝えたくなるような絵本。
《著者紹介》
酒井駒子(さかいこまこ)
絵本の作品に『リコちゃんのおうち』、『よるくま』、『赤い蝋燭と人魚』(以上偕成社)、『よるくまクリスマスのまえのよる』『ロンパーちゃんとふうせん』(以上白泉社)がある。
【作:酒井駒子 出版社:文溪堂】