★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ぼく おかあさんのこと・・・  *酒井駒子

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ぼく・・・おかあさんのことが・・・嫌い。

 

だってねぼすけで、日曜日の朝は、いつまでも寝ている。

 

ぼくは、もっとママと遊びたいのに。

 

ドラマばかりみて、漫画みせてくれないし。

 

すぐ、怒るし。

 

はやくしなさい、が口癖で、その割に、

 

ママは、道端で近所の知り合いにあうと、

 

ながながと立ち話してて、ぼくが早くかえろうというのに、

 

ずっと話していて、自分はゆっくり。

 

勝手なんだから大人は・・・

 

園のお迎えも来るのが遅いし、

 

それから、それから、それから、

 

ボクとは結婚できないっていうし。ぼくはママとしか結婚したくないのに。

 

だから、きらい。

 

きらいの理由を上げたらきりがない。

 

それぐらいぼくは、ママの事が大好き。

 

もう、こんなママとはおわかれしよう。

 

ぼくは、どこまでも、ひとりでいちゃうよ。

 

さよなら、ママ。

 

部屋をでてすぐに、ボールを持っていくの忘れたのを思い出して、

 

戻る。(ママにもういちど会いたくて。)

 

ママ、またぼくに会えてうれしい?というお話。

 

思わずそばにいる子どもをぎゅっと抱きしめたくなる作品。

 

子どもの視線から語られるお話で、子どもから見ると大人の不条理さをこうしてみると、

 

あらためて感じざる負えない。

 

親になってみて、休日に寝坊したい気持ちもわかるし、

 

ちょっとドラマだってみたい、自分の時間が少しでいいから欲しい気持ちもわかる。

 

子どもには見たいものを制限したり、時間も決めていたりするのに矛盾。

 

近所の人と立ち話に花咲かせたり、きっと大人が勝手にみえているだろう。

 

そうだよね、ごめんね。という気持ちと、

 

ママも毎日精いっぱいなんだよ。

 

きみのことが大好きなんだよ。と伝えたくなるような絵本。

 

《著者紹介》

酒井駒子(さかいこまこ)

1966年生まれ。東京芸術大学美術学部卒。

絵本の作品に『リコちゃんのおうち』、『よるくま』、『赤い蝋燭と人魚』(以上偕成社)、『よるくまクリスマスのまえのよる』『ロンパーちゃんとふうせん』(以上白泉社)がある。

【作:酒井駒子 出版社:文溪堂】

 


ぼく おかあさんのこと…