★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ゆうぐれ *ユリ・シュルヴィッツ

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陽が傾きかけ、もうすぐ夜を迎える。夜までのほんの短い時間ゆうぐれ。

 

雨の日には、夜との境界線が見えにくくなる、ゆうぐれ。

 

太陽がいつもより大きくなって、赤くなったようなきがする。

 

どこに落ちて、どこに消えてしまったのだろう。心もとない気持ちになる。

 

それと同時に一日の終わりに安堵したり。

 

男の子とおじいさんと犬が、散歩をしています。

 

大きな川に 沈んでいく 夕日が見えました。

 

まちに戻ってくると、

 

みんな夕日には目もくれず、なにやら忙しそうに歩いている。

 

家に帰る人、家に帰る前に買い物に出かける人、それぞれに。

 

影が色濃くなり、空はだんだんと暗くなっていく。

 

陽がすっぽりと落ちたら、

 

まちの あかりが ともりました。

 

あかりはひとつ、またひとつと、街を明るく照らしてゆく。

 

光の連鎖のように、いつの間にか、あたりは光で満ち溢れていく。

 

明るい夜の世界。

 

”おとこのこがいいました。

 

『わーい、よるも きらきらしてるんだね!』”

 

ユリ・シュルヴィッツの絵本は光がテーマになっている作品が多い。

 

私たちはいつも光を求め生きている。光を見つけ、光のさす方へ進んでいく。

 

ゆうぐれはそんな大きな太陽という光が地平線に沈み

 

街もだんだんと光を失っていく。

 

自然の光が消えたと同時に、今度はぽつりと家に灯りがともり、

 

街にネオンがきらめき始める。

 

また違う光に出会う。

 

人は光に魅せられ、吸い寄せられるように、集まる。

 

光をテーマに、性質の異なる光に切り替わる瞬間が美しく描かれています。

 

《著者紹介》

作:ユリ・シュルヴィッツ

1935年、ポーランドワルシャワに生まれる。4歳で第2次世界大戦をむかえワルシャワを離れ、パリ、イスラエルに移った後、1959年アメリカに渡る。

現在、ニューヨーク在住。主な作品に『よあけ』『あさのひ』(共に福音館書店

『ゆき』『おとうさんのちず』(共にコルデコット賞銀賞・日本絵本賞 あすなろ書房)『空とぶ船と世界一のばか』(コルデコット賞 岩波書店)、『あるげつようびのあさ』(徳間書店)、『ぼくとくさまさん』『ねむいねむいおはなし』(共にあるなろ書房)、『たからもの』(コルデコット賞銀賞 偕成社)などがある。

※絵本より引用

【著:ユリ・シュルヴィッツ 訳:さくまゆみこ 出版:あすな書房】

 


ゆうぐれ