★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ちかてつの ぎんちゃん *鎌田歩

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黄色いボディーが目を引く、銀座線のぎんちゃん。

 

地下鉄で働くぎんちゃんは、実はトンネルが大の苦手。

 

暗くて、ひゅうううと不気味な風の音、狭くて、ひとりぼっちで、

 

怖くてしかたがありません。

 

トンネルにはちいさな光が道をつくり、横のかべの染みや、まくらぎのかげが、

 

今にも動き出しそうで、ぎんちゃんは目をぎゅっとつむりながら走ります。

 

次の駅に遅れて到着したぎんちゃん。

 

お客さんを乗せたぎんちゃんはゆっくり動き始めました。

 

向こうから急に光るライトに驚き、ギリギリですれ違う狭いカーブに

 

思いっきりブレーキをかけ、

 

向こうから来る電車のテールランプがかいぶつの目に見えてきます。

 

とうとう怖くて前に進めなくなったぎんちゃん。

 

次の駅で、お客さんはみんな降りてしましました。

 

いよいよひとりになったぎんちゃんは、たまらず目をつぶったまま猛スピードで走り、

 

気が付くと行き止まりの電車の休憩所にいました。

 

仲間の地下鉄に、トンネルが怖いことを打ち明けると。。。。

 

”『目をつぶって、まわりのおとを よーく きいてごらん。』”

 

とアドバイスをもらいました。

 

その通りにしてみると、たくさんの電車が走る音が聞こえてきました。

 

ぎんちゃんはトンネルにいるのは、自分だけじゃないんだと思いました。

 

他の電車もみんな、トンネルの中を走っているんだと思うと、勇気がわいてきました。

 

元気を取り戻した、ぎんちゃんはまたトンネルの中を走りはじめました。

 

大きな駅でお客さんをたくさん乗せると、トンネルの先があかるくなってきました。

 

もうすぐ終点です。

 

トンネルを抜けると、そこは、明るい地上です。

 

ぎんちゃんはライトをぴかっと ひからせて、『しゅぱっつしんこー!』と

 

また来た道を折り返しましたというお話です。

 

地下鉄だからってトンネルが得意なわけではない。

 

海の魚もひょっとしたら、最初から泳ぐの得意だったかわからないし、

 

泳ぎが苦手な魚もいるかもしれない。そもそも海が苦手な魚だっているかもしれない。

 

人も同じで、得意なこともあれば苦手なこともある。

 

でも少しだけ視点を変えてみたら、苦手を克服する糸口になるかもしれません。

 

ぎんちゃんのように、立ち向かう勇気が湧いてくる絵本です(*^-^*)

 

【作・絵:鎌田歩 出版社:小学館

 


ちかてつのぎんちゃん