★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ぼくとクッキーさよならまたね *かさいまり

f:id:kiko_book:20210822114207j:plain

 

いつも、一緒に遊んでいるぼくとクッキーは大の仲よし。

 

魚釣りをしたり、一緒にブランコをしたり、絵を描いたり。

 

毎日、別れる時には、『さよなら、またね』がふたりの合言葉。

 

ある日、いつものように遊んでいるけど、

 

クッキーが元気がない。いつもと様子がちがいます。どうしたのかな?と心配になります。

 

ぼくが『さよならまたね』と言うと、

 

『さようなら・・・・。』と言ってクッキーは僕の顔も見ずに、

 

走って帰ってしまいました。

 

クッキーがなんだか変です。

 

その日の夕方、クッキーとおかあさんがやってきて、

 

翌日の朝に引っ越してしまうことを知ります。

 

”『なかなか言えなくてごめん。』クッキーがさびしそうに いった。”

 

ぼくは あまりに とつぜんのことに、言葉が出ませんでした。

 

クッキーが今日”またね”って言わなかった理由がわかりました。

 

ぼくは、ずっと一緒に遊ぼうねって言っていたのに、

 

うそつき!クッキーなんて大嫌いだと思いました。

 

窓からそっと外をのぞくと、クッキーが泣いている。。。。

 

クッキーもさよならが嫌なんだとぼくは思いました。

 

”さよならって いっても、 また あえた。

 

いつも いつも、また あえた。

 

でも、こんどの さよならは・・・・。”

 

ぼくは、考えてクッキーにお手紙を書くことにしました。

 

夜じゅう、何度も何度も書き直しながら・・・・

 

次の朝に、書き上げた手紙を持って、クッキーの乗っている汽車に向かって、

 

ぼくは走ります。

 

”『クッキー!』

 

『でがみだよー。』”

 

短い言葉で十分すぎるぐらいに、ぼくとクッキーの気持ちが伝わってきて、

 

とても短いお話なのに、感動して涙が込み上げてきます。

 

大好きな友達とお別れする寂しさ、愛しさ、お互いを想う気持ちが、

 

『さよなら、またね。』の合言葉に全て込められています。

 

どんなキレイな言葉よりも、二人にとって大切な、心に奥深くに響く言葉。

 

本の裏表紙には、クッキーからお返事の手紙が届くイラストがあり、

 

2人の友情が、引っ越して離れてからも、ずっと変わらず続いている様子が

 

描かれています。

 

《著者紹介》

作:かさいまり

北海道生まれ。小さな子どもの心のゆれをていねいに表現したお話作りを続けている。

読み語り用CDを作り、独自の世界を展開し、全国各地で講演、読み語りも行っている。

作品に『あのね』『あんなになかよしだったのに・・・』『とくべつないちにち』(以上、ひさかたチャイルド)、『ばあちゃんのおなか』(教育画劇)、『かあちゃんえほんよんで』(絵本塾出版)、『えらいこっちゃのいちねんせい』(アリス館)、『くれよんがおれたとき』『ムカッやきもちやいた』(以上、くもん出版)、『こぐまのクーク物語』シリーズ(角川書店)など多数。日本児童文芸家協会会員。日本児童出版美術家連盟会員。

※絵本より引用

【作・絵:かさいまり 出版社:ひさかたチャイルド】

 


さよならまたね―ぼくとクッキー