★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

むれ *ひろたあきら

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アリさんの行列で『むれ』という字の表紙。

 

インパクトがある。普通の活字で『むれ』となっていたら、

 

すぐに意味にたどり着けなかったかもしれません。

 

アリも集団で生活している生きもののひとつ。昔トリケラトプスなどの恐竜もむれで

 

動いていたようです。

 

水族館のイワシも、小さな魚ながら、群れで泳ぐことによって、

 

ものすごく巨大な魚に見せて、敵から身を守っています。

 

絵本をひらくと、たくさんの群れ(動物)が現れました。

 

羊のむれに一匹だけ毛がないひつじ。

 

さかなのむれの中に、一匹だけほねの魚。

 

空を飛ぶとりのむれのなかに、一匹だけ走っている鳥。

 

うちゅうじんのむれの中に、一人だけぴぽぷぽぺって何?どれ?

 

どういうことと子どもと笑いながら探す。

 

最初は群れの中から、一匹だけ違うもの(仲間外れ)を探す絵本なのかと思っていたら、

 

あめのむれに、ひとつぶだけ かくれている

 

だれかの涙。に思わずぐっとくる。

 

外から見ると、みんな同じように見えるむれ、

 

同じ方向を向いているように見えるむれ。

 

アリのむれの中に、一匹だけ、他のみんなと違う方向へ歩くアリが・・・

 

一匹だけ集団から外れました。

 

 そこで、出会ったのは・・・・

 

今度は、みんな違う姿、形、個性をしたアリの集団に出会いましたというお話です。

 

『むれ』を想像すると、結束、集団行動のような、一見窮屈な印象がありますが、

 

この絵本は最後のページで集団でありながら、見事なほどの解放感があります。

 

むれの中で、みんな違ってもいいんだと思わせてくれる側面もあり、

 

色々な意味で、自由度が高い絵本になっているのがユニーク。

 

雨に隠れた涙も、時に集団が守ってくれる頼もしさ、優しさを感じます。

 

子どもは、間違い探しをしているようで、面白いようです。

 


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《著者紹介》

作:ひろたあきら

1989年愛知県生まれ。

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人。

ライブなどで活躍するほか、絵本を用いたイベントや読み聞かせを積極的に行う。

本書が初めての絵本作品となる。

※絵本より引用

 

【作:ひろたあきら 出版社:KADOKAWA

 

 

 

 


むれ