★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ともだちがほしかったこいぬ  *奈良美智

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いつもひとりぼっちで、とっても さみしかったこいぬ。

 

どうして、ともだちができなくて、ひとりぼっちだったかというと、

 

それは大きすぎたから。

 

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こいぬがあまりに大きすぎて、だれも見つけることができなかったのだ。

 

そこに、ひとりのちいさな おんなのこが

 

こいぬに気が付いた。

 

おんなのこは、こいぬの足をよじ登っていく。

 

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どんどん のぼっていくと、広く、平らなところに出て、

 

おんなのこは、それからも、どんどん 前に進んで歩いた。

 

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おんなのこはついに、こいぬのあたまの てっぺんまで きたときに

 

すべって ころんで ごろごろ どっしん!

 

何かにぶつかった。

 

何だろう?はたと前をむくと、

 

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おんなのこは、すごくびっくりした。

 

なぜなら、今まで見たこともないほど、大きな、目が二つ。

 

おんなのこと こいぬは しばらく目を合わせたまま、言葉を失った。

 

 

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こいぬも、とつぜん鼻先に訪れた、小さな小さな おんなのこに

 

びっくり驚いた。

 

今まで誰にも見つかられず、こうやって、目を合わせることなんてなかったから。

 

ずっとひとりぼっちだったんだ。

 

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おんなのこは最初はびっくりしていたけど、

 

だんだんと楽しくなってきた。想像をはるかに超える出来事に、

 

怖いよりも、心がわくわくとはずんだ。

 

おんなのこは、こいぬの顔の上で、歌をたくさん歌った。

 

そうしてこいぬとおんなのこは、ともだちになった。

 

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ちいさなおんなのこと、おおきなこいぬは、

 

ときどき けんかもしたけど、

 

いっしょにたのしく遊びました。

 

”きみが もしも ひとりぼっちで とても さびしくても

 

きっと どこがでだれかが きみとであうのを まってるよ

 

だいじなのは さがすきもち!”というお話。

 

 

大きい体なのに、あくまでこいぬ。

 

小さすぎても見つけてもらえないし、大きすぎても見つけられないという視点が

 

読者には新鮮にうつる。

 

地球からはみ出してしまうほど大きなこいぬは、私たちの想像の概念をはるかに

 

飛び越えていく。

 

今いる場所、今ある時間が人生の全てじゃない。

 

明日になったら、未来はどうなっているかなんて誰にもわからない。

 

探せば、歩けば、どこにだって私たちは向かうことができるんだよ。

 

と強いメッセージを感じさせる一冊です。

 

奈良美智さんの描く子どもはどこか、無垢ななかにも、子どもの狂気をはらんでいて、

 

いたずら大好きな子どもらしい子どもが描かれているところが魅力。

 

奈良美智さんの展覧会にも何度か日本各地を回ったけれど、

 

いつも新しい視点をもたらせてくれるアーティストさんです。

 

 

 

 

《著者紹介》

作:奈良美智(ならよしとも)

愛知県県立芸術大学大学院終了後、ドイツに。

ドイツ国デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍し、A.R.ペンクよりマイスターシュウラーを取得。現在もケルンよりベースに制作活動を行う。

98年、UCLAで3か月客員教授をつとめる。

ヨーロッパ・アメリカ・アジアなどで作品を発表、世界的規模で活躍している。

著書に、『深い深い水たまり』(角川書店)、『Slash・with a Knife』『UKIYO』(リトル・モア)などがある。

※絵本より引用

 

 

 


ともだちがほしかったこいぬ