毎年、子どもの誕生日が来るたび、
『おおきくなったね。』と当たり前のように声をかけてきた。
でも大きくなるってどういうことだろう?
大人になるってどういうことだろう?
これは子どもも、大人も考えると、すんなりと答えが出ないテーマだ。
絵本の中で、園長先生が子どもにおおきくなるっていうことは、
どういうことか教えてくれる。
たとえば、洋服が小さくなるってことだったり、
新しい歯が生えてくることだったり、
目に見える、大きさが変化することかもしれない。
それから、大きくなるっていうことは、あまり泣かないってことかもしれない。
これは心の成長。
高い木に登れることだったり、
登った高いところから、飛び降りられるようになるってことだったり。
飛び降りても大丈夫かなって、考えられることだったり。
お風呂のとき、シャンプーを嫌がらなかったり、
湯舟に顔つけが出来るようになったり。
それから大きくなるっていうことは、自分より小さな人が大きくなるってこと。
そして小さな人にやさしくなれるってこと。
園長先生は、”またひとつ大きくなった おめでとう みんな”と声をかける。
みんなで大きくなるってどうい事だろう?と疑問を持って、考えて、答えを出す。
それも大きな成長の一つ。
体が大きくなること、心が成長すること、出来ることが増えること、
新しい発見をすること、考えて行動できること、
自分の考えを人に伝えること、人の話に耳を傾けれること、
人の心に寄り添えること。
子どもと一緒に大きくなるってどういうことだろう?
大人になるって何だろう?
と立ち止まって考える機会を与えてくれる絵本です(*^-^*)
テーマは一見難しそうですが、イラストが分かりやすく、子どもにも理解
できるように工夫されています☆彡
《著者紹介》
文:中川ひろたか
1954年生まれ。保育士、みんなのバンド「トラや帽子店」を経て、1995年「さつまのおいも」(童心社)で絵本デビュー。1998年、ソングレコードを設立。
2000年「うたのパレット」を発表。歌に「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」
「おーいかばくん」他。絵本に「かいくんのおさんぽ」(岩崎書店)「あくび」(文溪堂)「うみちゃんのまど」(偕成社)「だじゃれどうぶつえん」(絵本館)「わにのスワニー」(児童福祉文化賞推薦作品・講談社)他、村上康成氏との「ピーマル」(PHP研究所)など多数。他に自叙伝「中川ひろたかグラフィティ」(旬報社)がある。
絵:村上康成
1955年生まれ。創作絵本をはじめ、ワイルド・ライフ・アートなどのグラフィック関連で独自の世界を幅広く展開している。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、プラチスラバ世界絵本原画展金碑など受賞を重ね、「なつのいけ」(ひかりのくに)で第8回日本絵本大賞受賞。作品に「ようこそ森へ」「ピンク、ぺっこん」(徳間書店)
「星空キャンプ」「めだかさんたろう」(講談社)「さかなつりにいこう!」(理論社)「イルカの風」(BL出版)「鳥と歌えば」(PHP研究所)「おにぎりくん」(小学館)「コバンザメのぼうけん」(童心社)など多数ある。
※絵本より引用