幼少期、自分の足元を見て、足元に影がくっついて、
離れないのが不思議でたまらなかったことを思い出す。
影から体を離そうと、ジャンプしたり、足をひきずってみたり、でも影は取れない。
夕方になると影は伸びて、昼間になると縮んだりして面白い影。
歩道に、車道を走る車の影が通り過ぎる際に、影を踏まないように!?
車の影にひかれないようにジャンプして遊んだ覚えがある。
影は平面しか写さないから、どこから光を当てるかによって、見え方も変わってくる。
前から、横から、上から写したやかんのシルエットも、
三枚目の横から見たシルエットみてようやく、子どもも「やかん」と認識できる。
光を当てる方向を変えるだけで、やかんも違った表情をみせる。
今度は野菜たち。
上から見るのと、横から見るのとでは、形がまるで違う。
影じゃないだけで、どこから見てもどの野菜か一目瞭然。
どの方向から光をあてていたかわかるページがあっていいなと思いました。
文房具を並べて写したシルエットは、向きや置き方によって、
数字やアルファベッドに変身する。
何でできているのかな?と考えるのが楽しい。
影はモノクロなイメージがあるけど、透明な入れ物に光を当てれば、光を通して、
影に色味が現れる。
より表情豊かに賑やかになった影。
おうちにあるものを、少し工夫すると、幻想的な夕暮れ時の遊園地もできる。
観覧車は扇風機にコップをつけている。
光が近く当たれば、小さくなるし、遠くから当てれば、長くのびる。
影の世界は自由自在。
光があるから、影ができる。
いろんな影を作って実験(遊びたくなる)してみたくなる一冊です(*^^)v
【文・構成:竹山枝里 写真:西山悦子 出版社:福音館書店】