絵本の題と、表紙のインパクトが大きい作品。
動物がすべて影で描かれていて、黒一色です。
なのに、ちゃんと子供にも何の動物の影かわかるところがすごい!
夜の動物園にも行ったことがないので、夜真っ暗な中で、
動物がどんな風に見えるのか知らない子どもには、とても新鮮で面白いようです。
常に出てくる『おれはだれ?』『わたしはだれ?』というフレーズも読んでいて、
リズムがあり楽しい絵本。
絵本の中身も終始、黒、青、黄色、白の4色で統一され、構成されています。
ちゃんと網目の模様が暗闇に隠れてしまっていても、この首の長いフォルムを見たら、
もう誰だがみんなわかる。
キリンさん夜なのに、電気ないのに、ごはん食べられてすごいねぇと子どもは、
感心していました。
人だったら、暗くてよく料理が見えなかったら美味しさも半減かな?
鼻が長~い、ぞうさん。
真夜中もジャングルを優雅に歩いています。
白い牙がするどく暗闇に光って見えます。
長い手足であちらこちらに、行きたいところへ、自由自在。
かゆいところにも手が届く!?
テナガザル。
”ワタシたち、あるくの いっしょ。とぶのも いっしょ。
いつも いっしょ。かおも いっしょ。 ちょっと たいくつ。
ワタシたち、ダレ。”
真夜中に一本足で立つのは、ちょっと危険!?
フラミンゴさんのかわいいつぶやき。
衝撃を受けた、シマウマの集団ページ。
ほとんど黒で埋め尽くされているページ。
真っ黒の中に、いくつもの目がギラギラと光る。
シマウマさんたちも、どちらが前か後か、ダレなのか、混乱してしまいそう。
クイズ形式になっていて、最後のページに答えが記載されています。
これ誰だ?というフレーズに子どもが声を上げながら、読み終わると、
物足りなさそうに、もう一回読んでって催促が来ました(*^-^*)
動物たちのブッラクユーモアにとんだ、つぶやきの数々もかわいらしい作品です。
《著者紹介》
文:越野民雄(こしのたみお)
東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。
広告代理店のコピーライターとして、テレビ、新聞等の広告制作に携わりながら、
文筆家としても活躍。主な作品に「ぼく きょうりゅう」、「名探偵モンスターパパの日曜日」(ともに佼成出版社)「ワン」、「わたしエリカ号」(ともに講談社)などがある。
絵:高畠純(たかばたけじゅん)
1983年「だれのじてんしゃ」(フレーベル館)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。主な作品に「ピースランド」、「だじゃれすいぞくかん」(ともに絵本館)「ペンギンたんけんたい」(講談社)などがある。
※絵本より引用
【作:越野民雄 絵:高畠純 出版社:講談社】