丘の上に住んでいるよおちゃんと、山の上に住んでいるおばあちゃん。
2人は同時にお互いに会いたくなった。
おばあちゃんに会いたくなったようちゃんは、さっそく家を出ました。
おばあちゃんも収穫したての果物を、よおちゃんに食べさせたくて、
いそいで支度をして出かけました。
よおちゃんは、バスに乗って、おばあちゃんは電車に乗って、
お互いの家をめざして、すれ違います。
よおちゃんのうちについて、おばあちゃんはびっくり。
おばあちゃんのうちに着いた ようちゃんもまたびっくり。
二人は急いで帰ります。
おばあちゃんは今度はタクシーに乗って、ようちゃんは、トラックに乗せてもらい、
2人は道路ですれ違いますが、気づきません。
うちへもどって、またまたびっくりな2人。
ようちゃんは、キックボードに乗って、おばあちゃんはバイクに乗って、
走ります。はやる気持ちを抑えられません。
ようやく2人は木の下で、会うことができました。
一緒に果物を食べながら、今度はこの木の下で待ち合わせを約束しました。
二人は思い立ったら一目散、すぐに行動するタイプ。
何度もすれ違ってしまうけど、二人は阿吽の呼吸で、
テンポがぴったりの似た者同士です。
スマホで瞬時に連絡が取れる現代、なんとももどかしい。
でもこのもどかしさが懐かしい。
子どもの頃友達と何度待ち合わせしただろう?
ちゃんと会えるかな?とドキドキしながら。
そして何度友達の家にピンポ~ンと、『○○ちゃんいますか?』とドキドキしながら
インタホーン越しに話しただろう。
何度、お友達の家に電話をかけただろう?
今はそんなやりとりもないのかもしれない。
おばあちゃんとは手紙で何度も文通をした。
手紙を書いて、届くまでの長い時間、手紙の返事を待つ時間も、好きだった。
何かとスピード社会の時代だからこそ、じっくり読みたい一冊です(*^-^*)
五味太郎さんの落ち着いていて、懐かしい温かみのある色彩が素敵です☆
【作:五味太郎 出版社:絵本館】