最初この絵本を読んでいた時、時間を守る大切さを教えてくれる絵本だと思っていました。
でも、それ以上に大切なメッセージが込められていて、子どもにちゃんと伝わるのは、
もっと先のことなのかもしれません(*^-^*)
とかげのとっぺんが、草むらで、大きな時計を見つけました。
とっぺんはおうちの窓からよく見えるように、家の側の木につるしました。
これからは予定表を作って、時間通りに規則正しく生活するんだと、
目標を定め、とっぺんは生活し始めます。
時間通りに暮らす心地よさを感じているとっぺんでしたが、
そこにお友達のちっぺんがやってきて、
一緒にあそぼうよ!と誘います。
とっぺんは、今はそうじの時間だから遊べないと断ります。
自由時間の13時にまた遊びに来てとちっぺんに伝え、
ちっぺんは途中で雨が降ってきたので、傘を取りに戻ったので、少し待ち合わせに遅れました。
すると、とっぺんは14時から散歩の時間なんだ。
外は雨だというのに、決めているからと散歩に出かけてしまいました。
面白くないちっぺんは時計に細工をして・・・
時計を早く進めてしまいました。
すると散歩から帰ってきたとっぺんは大慌て、思った以上に時間が経過していたからです。
時間を巻き返そうと、家事に、食事に、大忙しです。
あまりに世話しなく動いているせいで、しっぽに火がついてしまいました。
ちっぺんは、いたずらのつもりだったのに、これは大変なことになったと、
時計に思いっきり石を投げて壊しました。
疲れ切ったとっぺん。時計も12時のまま、針が止まりました。
ちょっと働きすぎたな~とひとやすみしようと、
のんびりひなたぼっこをしながら、お昼寝を始めましたというお話です。
時間やルールを守ることは大切なことだけれど、
時間に追われたり、縛られて身動きが取れなくなってしまっては本末転倒。
時間を上手に使うことで、心地よく生きることが何より大事。
時間との付き合い方や、時には、
時間やルールよりも大切なことがたくさんあるんだよと教えてくれる。
時間に追われるのではなく、追いかけるぐらいがちょうどいい加減だったりする。
忙しい世の中を生きる大人も、ハッと立ち止まれるきっかけの絵本かもしれません。
友達や家族との時間も大切にしてねというメッセージが込められています。
《著者紹介》
作:井上よう子(いのうえ・ようこ)
神奈川県横浜市に生まれる。静岡大学を卒業後、童話の創作を始める。主な作品に『まじょっこチャッピー』シリーズ(偕成社)、『えっ!おれっていじめっ子?』(文研出版)、『はしれ!ねこねこえん』『あまぐもなんかにまけないよ』(以上、チャイルド本社)、『とっぺんととっぺん』(ひさかたチャイルド)などがある。
絵:永井郁子(ながい・いくこ)
1955年、広島県に生まれる。多摩美術大学油絵科卒業。主な作品に『かいぞくポケット』シリーズ『わかったさんのおかし』シリーズ(以上、あかね書房)、『かいぞくオンタマがやってくる』『こそどろこそべえ』(以上、岩崎書店)、『にじになったさかな』『ヨウカイとむらまつり』(以上、汐文社)、『なんのいろ』(リブリオ出版)、
『とっぺんととっぺん』(ひさかたチャイルド)などがある。
※絵本より引用
【作:井上よう子 絵:永井郁子 出版社:ひさかたチャイルド】