気持ちって目には見えないもの。不確かなもの。
チビウサギが小さな体をめいいっぱい広げて、好きな気持ちを体全身で表現する。
デカウサギに『どんなにきみがすきだかあててごらん』とチビウサギ。
チビウサギは手を広げたり、ジャンプしてみたり、背伸びをしたり、
逆立ちをしてみたりして、大好きな気持ちを体でめいいっぱい表現して伝えます。
でもどんなに表現しても、体が大きいデカウサギには勝てません。
そんなチビウサギは考えて "『ぼく、おつきさまにとどくぐらいきみがすき』”というと
目を閉じて、デカウサギの胸の中で、しずかに寝息を立て始めました。
デカウサギは”『それは、とても、とても、とおくだ』
『ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって、かえってくるぐらい、すきだよ』”
とチビウサギのとなりによこになり、ほほえみながらささやきました。
二人の微笑ましいやりとりと、まっすぐに相手に伝える、好きな気持ち。
読んでいて羨ましいぐらいに。
こんな風に言葉にしたり、表現できたらいいのに。
デカウサギとチビウサギは親子だろうか?兄弟だろうか?友達だろうか?
恋人だろうか?そこがはっきり明確にされていないところがいい。
普段好きな気持ち、大切に思っている気持ちを、言葉にするのは照れ臭いときに、
プレゼントして伝えたりするのに、一役買ってくれそうな一冊。
繰り返し読むたびに幸せな気持ちにしてくれます。
プレゼントした方も、された方も幸せな気持ちに包んでくれる絵本です(*^-^*)
《著者紹介》
文:サム・マクブラットニイ
イギリスの北アイルランド地方に生まれ、アイルランドの首都ダブリンにあるトリニティ大学で歴史学と政治学を学ぶ。教師をしていた30代のころに子ども向けの本の執筆を始め、やがてこれに専念。これまでに60冊近くを出版している。『どんなにきみがすきだかあててごらん』は37か国語に翻訳され、1500万部を超えるベストセラー
。アニタ・ジェラームとの共作では、ほかに『パパとママの たからもの』などがある。
絵:アニタ・ジェラーム
1965年、イギリスのポーツマス生まれ。マンチェスター・ポリテクニクでイラストを学び、卒業の1年後に最初の絵本を出版した。主な作品として、『パパとママのたからもの』のほか、A・ヘストとの共作に『ママ、わすれてるじゃない』『ぼうや、おくちをあけて』など、みずから文章も手がけた絵本に『ぼくは ぼくの ほんがすき』(いずれも評論社)がある。
※絵本より引用
【作:サム・マグブラットニィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川仁央
出版社:評論社】
どんなにきみがすきだかあててごらん (児童図書館・絵本の部屋)