★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ぼくにげちゃうよ 

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いつもママと一緒にいる子ウサギは、一人でどこか遠くに行ってみたくなりました。

 

かあさんうさぎに、『ぼくにげちゃうよ』と言いました。

 

かあさんうさぎは、『ぼうやが逃げるならどこまでもついていきますよ』と言いながら、

 

子うさぎの背中を追いかけます。

 

今度は小川の魚になって、泳ぐよと子うさぎが言えば、

 

お母さんは漁師になって、つりあげますよと。

 

かあさんが漁師になるなら、僕は母さんより高い山の上の岩になるよと話し、

 

ぼうやが高い山の上の岩になるなら、おまえがいるところまで、登山家になって

 

登っていきますよと。

 

じゃあ僕はことりになって逃げていくよと言えば、

 

ぼうやがことりになるなら、母さんはとまりに帰ってくるのを木になって待ちますよと。

 

 

母さんが木になったら、ぼくは小さなヨットになって逃げるよと言うと、

 

ぼうやがヨットになるなら、母さんは風になって、私の好きなところへ、ふいて

 

連れて行ってあげますよと。

 

じゃあ僕は人間の子どもになって、おうちのなかに逃げちゃうよと言うと、

 

ぼうやが人間の子どもになって、おうちに逃げ込んだら、わたしはお母さんになって、

 

その子を抱きしめますよと言いました。

 

だったら、うちにいても、かあさんのこどもでいるのと おなじだね。

 

そこで子うさぎは逃げ出すのをやめました。

 

絵本の中はカラーページとモノクロページの構成が順番に訪れ、印象的です。

 

愛されているからこそ、帰る場所があるからこそ、時にはそこから離れてみたい、

 

抜け出したいという子の気持ちと、

 

母親はきっと子どもがいくつになっても母親なのでしょう、

 

大きく成長して、自分で考え、自分の意思で、離れていくわが子を、

 

気づかれないように、そっと影で見守りながら、追いかけていくんだと思います。

 

親子の微笑ましく、変化する親子関係を、追いかけっこするような物語です。

 

お母さんの愛情や心配や期待というものが、決して押しつけがましくなくて、

 

ユーモアがあって、素敵な絵本です(*^-^*)

 

《著者紹介》

文:マーガレット・ワイズ・ブラウン

数ある児童作家の中で、ブラウンほど幼児期の子どもの関心事や心の動きについて、

知りつくしている人はないといえます。1952年、ブラウンは、若くして亡くなりましたが、その死は多くの人々に悲しみをあたえました。しかし、今や古典的存在となった

彼女の多くの作品は、毎年、何千人もの新しい読者に、喜んで迎えられています。

 

絵:クレメント・ハード

クレメント・ハードは、自分自身の絵本を創るだけでなく、マーガレット・ワイズ・ブラウンの名作『グッドナイト・ムーン』をはじめ、多くの作家にさし絵をつけています。

※絵本より引用

 

【作品:ぼくにげちゃうよ 作:マーガレット・ワイズ・ブラウン

 絵:クレメント・ハード 訳:岩田みみ 出版社:ほるぷ出版

 

 


ぼくにげちゃうよ (海外秀作絵本)