子どもの頃から大好きだったバーバパパシリーズ。
思い出としては、幼稚園に通っていた時に、幼稚園に移動図書館がやってきて、
週に1回貸出をしていました。
その日を何よりに楽しみにしていて、いつも借りる絵本はバーバパパシリーズと、
せなけいこさんの著著『おばけのてんぷら』ばかり繰り返し借りていたことを思い出します。
子どもながらに、なぜここまで魅了されたのかというと、
まず人でもない、動物でもない、妖精?それともかわいいオバケさん?
どこにもいない唯一無二のキャラクターの大家族で、
それぞれのキャラクターに長所があって、個性があり、体を自由自在に、
変化させられる点が特に好きでした。
今回のお話は、足を怪我して動けない女の子を、元気づけたくて、
バーバパパの子どもたちは、考えて、音楽なんかどうだろう?と
蓄音機や、オルガンを運んでくるも、
どれも故障していて、音楽が聴けません。
発明が大好きなバーバピカリが、いいことを思いつきました。
どんな楽器の音も一緒に出せる、音楽機械を作ろうと提案します。
他の兄弟たちは、バーバピカリの発明を信用できません笑
音楽が好きで、歌が上手なバーバララが、自分たちで音楽を奏でたら面白そうと
提案しました。
バーバパパの家族は、体の形を変えることができるので、
楽器に変身するのは、簡単なことです。
バーバブラボーはサキソホンを作りました。
バーバベルと、バーバズーはふたりで、チューバ。
みんな夢中で演奏しています。
怪我をした女の子も、怪我のことをすっかり忘れて、音楽にききほれています。
バーバパパは大きなグランドピアノになって、それをママが弾きます。
バーバピカリとバーバモンジャは二人でドラムをうけもち、
見事なオーケストラのできあがり。
大人になって読んでみると、バーバパパシリーズはずいぶん昔からあるのに、
今社会問題の一つとして取り組んでいるシェンダーレスの先駆けみたいな作品
だなと思いました。
パパは男性だけど体がピンク色だったり、ママは逆に黒だったり、
男性、女性という社会的立場に関係なく、お互いの特長を生かしながら、
助け合いながら、お互いの存在を尊重し合っている。
今の時代にも古臭くなく、物語がしっくりくる点がすごいなと思います。
ベストセラーで長年愛され、読まれ続けている理由があります。
《著者紹介》
*アネット=チゾン
1942年にパリに生まれる。もとは建築設計士。
*タラス=テイラー
1933年サンフランシスコ生まれ。もとは生物学・数学教師。二人はパリのカフェで知り合い、いたずら書きの交換からバーバパパが誕生した。その後結婚、現在に至る。パリ在住。『バーバパパ』という名まえは、フランス語で「わたあめ」を意味する語から思いついたという。
※絵本より引用
作品:バーバパパのおんがくかい
作:チゾン+テイラー
訳:やましたはるお
出版:講談社