ふわふわしっぽのキタリスくんと、しましましっぽのシマリスくんは、
森の中で、木の実を拾っている人に出会いました。
木の実を拾うのを一緒に手伝っていると、お礼にチョコレートの箱をひと箱もらいました。
街中でチョコレートやさんをしている職人さんだったようで、
チョコレートに使おうと、木の実を拾っていたそうです。
後で、お兄さんからもらったチョコレートの箱をそっと開けてみました。
まるで宝石のように綺麗に、チョコレートが並んでいます。
見ているだけでうっとり。
シマリスくんとキタリスくんは、一つチョコレートを手にとると、
二人で仲良く食べ始めました☆彡
しっぽがふわわんと膨らみ、お花畑にいるような気持ちになりました。
お日様の下で、お昼寝しているみたいな気分だなぁと、思いました。
残りは大事に食べようねと二人は話しました。
森の中を歩いていると、ヒヨコさんたちが喧嘩しています。
泣き出したヒヨコの子を見て、二人はチョコレートをみんなに配りました。
すると涙のつぶをつけたヒヨコたちが、みるみる笑顔になります。
チョコレートってすごいなぁ~みんなを笑顔にするんだなぁ~と二人は思いました。
それから大事に育てていたバラの植木鉢が枯れてしまい、落ち込んでいるオオカミさんにも、
二人はチョコを上げました。オオカミさんはとても悲しそうだったのに、
チョコを食べたら笑顔になり、枯れた植木鉢の中に種が出来ているのを見つけ、
大喜び。
それからも、二人は悲しそうな動物を見つけてはチョコを配り、とうとうチョコの箱の
チョコはなくなってしまいました。
またあのチョコレートが食べたいなぁと思いました。
二人は町でチョコレートやさんをしているお兄さんに、会いに行くことにしました。
やまぶどうをお土産に。
お兄さんに、チョコをもらいに行くつもりでしたが、キタリスくんが、緊張しながら、
『ぼく、チョコレートやさんに、なりたいです!』と、叫びました。
お兄さんは、ふたりにチョコレートの作り方を教えてくれました。
丁寧に、砂糖やカカオの重さをはかり、せっかちなシマリスくんはカカオのかわを
あっという間にむきます。
集めてきた森の木の実をチョコの上に飾り、
とうとう、二人は森の中に小さなチョコレートやさんを開店しました。
お店の前は行列です。
みんな優しい笑顔がこぼれます。
ケンカをしていたタヌキくんとキツネくんは、
お互いにチョコレートをプレゼントし合い仲直りしました。
甘いチョコレートを食べると、膨らむ幸福感はなんでしょう。
読んでいて、チョコレートが食べたくなりました。
カカオのいい香りが、漂ってくるようです。
誰かを笑顔にできる料理や、お菓子。食べた人が笑顔になると、
作った人もこの上ない喜びに包まれ、おいしい笑顔は連鎖していく。
読んでいてとても幸せな気持ちになれます(*^-^*)
《著者紹介》
作:ふくざわゆみこ
東京生まれ。絵本に『おおきいなクマさんとちいさなヤマネくん』シリーズ・『ブルくんとかなちゃん』シリーズ・『モグラくんとセミのこくん』(以上、福音館書店)、
『むしのかくれんぼ いないよ いないよ いませんよ』・本シリーズ前作『ぎょうれつのできるパンやさん』『ぎょうれつのできるすうぷやさん』『ぎょうれつのできるはちみつやさん』『ぎょうれつのできるケーキやさん』『ぎょうれつのできるレストラン』(以上、教育画劇)『のねずみチッチ』シリーズ(のら書店)、『やさいもぐもぐ』『くだものあーん』『パンぱくぱく』『おいしいおと!なんのおと?』(ひかりのくに)、『モモンガのはいたつやさん』シリーズ(文溪堂)、『もりのホテル』『もりのとしょかん』(学研プラス)、などがある。東京在住。好きなチョコレートは、
マーブルチョコレート。
※絵本より引用
【作品:ぎょうれつのできるチョコレートやさん 作:ふくざわゆみこ 出版:教育画劇】