★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

おキモチや   *ときなつき

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刺激のない毎日。いつも同じ毎日を繰り返しているようで、ちょっと退屈していた。

 

そんなある日、ぼくの家の裏に、不思議な家が建った。

 

その家は魔法使いとかが住んでいそうな、不思議な家だった。

 

僕は、勇気を出して、その家を訪ねてみることに。

 

するとそこは、おキモチやさんだった。

 

あなたの知りたいおキモチを見せましょうと。

 

”『おキモチ?じゃあ きりんの くびの おキモチをください。』”

 

あんな長い首があったら毎日刺激的な気がすると思った。

 

気が付くと、ボクはきりんの首になっていた。

 

でもシマウマとも目が合わないし、空を飛ぶ鳥とも目が合わない。

 

ただただ遠くが見えるだけ。何も起こらないし、平和だった。

 

今度は電球をつけるスイッチのきもちになることにした。

 

こちらは結構楽しい。

 

上に下にレバーを変える度に景色が変わる。

 

そして電気が付いたり、消えたり、人に役に立っている気がしてうれしい。

 

釣りをした日、さかなのおキモチを買いにいった。

 

広い海の中を泳いでいると、目の前に急に小エビがたくさん現れて、

 

他の魚と競い合いながら、パクリ。

 

いた~い!!!!!

 

その瞬間、気が付いたら地上にいた。

 

でもすぐに海に戻された。

 

なぜならボクは小さかったから、食べられずにすんだんだ。

 

うみに戻ったら、『おまえ、うんがよかったな』ってみんなに言われた。

 

口にあいた傷の数が多いほど、魚たちの中では強運の持ち主らしい。

 

次はいつも 寝てばかりのパパのおキモチを買いに行った。

 

そしたら、もう信じられないほど、忙しくて、毎日くたくた。

 

家に帰ったら、ほっとして、気が付いたら寝てしまっていて、

 

夢でたくさんボクと遊んでくれていた。

 

夢の中で、ぼくとママに愛しているよと、伝えてくれた。

 

いろんな人だけではなく、動物や、モノの立場になることで、

 

気持ちを知り、意外性があったり、もっと大切にしたいなと思えたり、

 

優しくしたくなったり、反省してみたり、面白がったり、

 

おキモチやさんは、気持ちだけでなく、経験も一緒に売ってくれるお店。

 

とても楽しく子どもと読み聞かせできました(*^-^*)

 

《著者紹介》

作:ときなつき

京都府京都市生まれ、兵庫県西宮市育ち。

現在、香川大学医学部医学科在籍。趣味はドラムとバスケとEテレをみること。

第19回えほん大賞で、本作が絵本部門大賞に選ばれる。

 

※絵本より引用

【作品:おキモチや 著者:ときなつき 出版:文芸社

 


おキモチや