★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ゆきのひ

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雪がめったに降らない地域に住んでいるので、数年に1度降りつもる雪は、

 

子どもの時からずっと憧れで、特別でした。

 

朝を起きて、窓の外に広がる雪景色に、どれだけ高揚したことか。

 

抑えられない気持ちが、寒さを忘れさせ、いつまでも遊んでいたのを思い出します。

 

初めて雪の上を歩いたときの キュッキュという音。

 

自分の足跡ができる楽しさ。両足で引きずりながら滑りながら歩いたこと、

 

線路見たいな足跡ができたこと、友達と一緒に雪だるまを作ったこと。

 

それが解けてしまうのが悲しくて、冷蔵庫に入れてっと泣きながらお願いしたこと。

 

降り積もった雪を手ですくって、口に入れて、かき氷みたいに食べたこと。

 

たくさんのキラキラとした思い出が、鮮明に思い出されます。

 

ゆきのひに登場するピーターも、降り積もった雪に、

 

ワクワクしながら、雪だるまをつくったり、雪がつもった山に登って、

 

滑り降りたり、雪だんごを作って、コートのポケットにそっと入れておうちに持って帰り、

 

それがいつの間にか、解けて消えがしまった悲しさなど、

 

ピーターの気持ちに一喜一憂するように

 

読み聞かせしていました。

 

ピーターの表情に注目してみてみると、

 

そんなにピーターの表情が明確に描かれていなくて、驚きました。

 

こんなにも感情豊かに、物語りに引き込まれるのに、

 

ピーターの表情は横顔だったり、後ろ姿で見えないものばかり。

 

自分の遠い記憶が蘇り、作品と重なり一つになった瞬間でした。

 

読み聞かせしながら、感動している自分がいました。

 

子どもにもこの絵本のような、

 

ゆきのひのキラキラした思い出を作ってあげたいなと思いました。

 

コルデット賞受賞作品です。

 

《著者紹介》

作:エズラ=ジャック=キーツ

1916~1983年5月。ニューヨークの下町に生まれ、独学で絵の勉強をする。35歳頃から

子どもの本の挿絵を描き始め、1963年に文・絵ともに自作の絵本『ゆきのひ』でコルデット賞(アメリカの年間最優秀絵本賞)を受賞。以後『ピーターのいす』『ピーターのくちぶえ』等、十数点の絵本を発表し、子どもの心の内面を新鮮な目で捉え、詩情ゆたかに表現した絵本作家として、世界的に高く評価された。

 

訳:木島 始(きじまはじめ)

1928年京都市に生まれ、東京大学英文科を卒業。詩人・作家・英文学者として幅広く活躍。自作の詩集の他、現代詩のアソソロジー『地球にいきるうた』の編纂、創作に『やせたぶた』『考えろ丹太!』、絵本の翻訳に『はなをくんくん』『ゆきのひ』等。2004年没。

※絵本より引用

【作・絵:エズラ・ジャック・キーツ 訳:木島始 出版社:偕成社

 

 


ゆきのひ―キーツの絵本 (新訳えほん)