しりとりのくにでは、何もかもがしりとりの順番になっていて、
最後は必ず『ん』で終わります。
おうさまの あさごはんも、もちろんしりとりの順番で料理が運ばれてきます。
めだまやき→きゅうり→りんごジュース→すいか→カレーパンの順です。
最後はちゃんと『ん』で終わるように。
おちゃの時間のおやつも、もちろんしりとりの順に食べます。
たいやき→きなこもち→チョコレートパイ→いしやきいも→モンブラン。
最後は『ん』で終われました。
あるひ、しりとりのくにのとなりに住む王様が駆け込んできました。
なんとしりとりやまのドラゴンに、大事なお姫様がさらわれたと。
ドラゴンからお姫様を取り戻すには、しりとりで勝負しないといけないので、
力を貸して欲しいとのこと。
しりとりのくにの王様は、自信満々に任せてくださいと答えました。
兵隊をつれて、王様はさっそくしりとりやまへ行きました。
ドラゴンにお姫様を返せと!まずゆみやを飛ばしました。
するとドラゴンはやかんを飛ばし、最後が『ん』で終わっているので、
王様はそれ以上太刀打ちできません。
今度はドランゴンが先行で、『サボテン』と言い、
サボテンがたくさん兵隊に向かって飛んできました。
またも『ん』がついているので、何も返すことができません。
ドラゴンはライオン、ドラムカンと投げてきて、
どうしたものか『ん』のつくものばかりでは、何も返せないと途方にくれていると、
お姫様が、『王様、カンでしりとりしてみてわ?』と提案されました。
よぉし!『かんジュース』と言い、かんジュースをドラゴンに向けてたくさん投げました。
するとドラゴンは『す・・・す・・すみません』と何度も謝り、
お姫様を無事返してくれました。
王様も久しぶりに真剣にしりとりが出来て、大満足でした。
その後、王様はお姫様とドラゴンにお城で、ごちそうを用意し、一緒に食事をしました。
もちろんしりとりの順でメニューが運ばれてきます。
まーぼーどうふ→フライドポテト→とうもろこし→しちめんちょうのまるやき→
きのこ→コンスープ・・・・最後はプリン。
しりとりを楽しく学べる絵本です!
ドラゴンと戦っているときに、ずっと武器で戦いながら最後は倒すのかと思っていましたが、
ドラゴンの方から『すみません』と謝りながら、
お姫様を救出できる点が意外性もあり、平和的な解決ができたのがいいなぁと思いました。
ただ倒して悪者になってしまうのではなく、最後はみんな仲良くおいしい食事を囲み、
ちゃんと最後に『ん』がつく、オチも忘れずに!
しりとりは本来『ん』を言ったら負けなルールなので、『ん』で終わらせよう、
着地させようと考えると意外に難しく、子どもと一緒に考えながら、
他に『ん』で終わる言葉あるかな~?と探しながら読み聞かせしました(*^-^*)
《著者紹介》
作:こすぎさなえ
1971年滋賀県生まれ。京都大学教育学部卒業。制作会社で子ども向けコンテンツの制作に携わり、シナリオ・演出等を担当する。2007年に「ゆうゆう絵本講座」を受講(1期生)。会社勤めのかたわら絵本の文章を書き始める。絵本に『5のすきなおひめさま』
『しろおうさまとくろおうさま』『とけいのおうさま』『〇△▢のくにのおうさま』(以上、PHP研究所)、『サカサムシちゅういほう』(教育画劇)、『とんとんとんとんひげじいさん』『とーんだとんだ』(以上、世界文化社)など。幼児向け月刊誌にも多数お話を書いている。おやつに食べたいものは、あんにんどうふ→フルーツパフェ→
エクレア→アーモンドミルク→クロワッサン。
絵:たちもと みちこ(立本倫子)
石川県生まれ。絵本をはじめ、教科書や子ども向け番組、児童書、園具など教育分野でのイラストレーションを多く手がける他、広告、CM、ポスター、パッケージ、キャラクター、映像や玩具、インテリア、雑貨、子ども服など、枠にとらわれず様々なジャンルで「子ども」をテーマに創造性豊かで、遊び心をもった作品を発表し続けている。主な絵本に、こぶたちゃんのしかけ絵本シリーズ『おほしさま』『おひさまとかくれんぼ』(以上、教育画劇)、布絵本シリーズ『どうぶつさんこんにちは』『わくわくのりもの』(以上、交通新聞社)、行事絵本シリーズ『ハロウィンドキドキおばけの日!』(文溪堂)など他多数。ヨーロッパ、アジア諸国など世界でも翻訳されている。大阪芸術大学文芸学科・短期大学部デザイン美術学科准教授。
※絵本より引用
【作:こすぎさなえ 絵:たちもとみちこ 出版社:PHP研究所】