★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ふたりのサンドウィッチ

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ふたつのサンドウィッチと、2人の少女のお話。

 

サルマとリリーは学校で一番の仲よし。2人は一枚の大きな紙に一緒に絵を描き、

 

ブランコをしたり、縄跳びをしたり、お昼ご飯もいつも一緒。

 

何をするにもいつも一緒。

 

でも二人が食べるものは少し違っていて、

 

お互いに変なの~、なんだかまずそう~とお互いに思っていました。

 

ある日、リリーはとうとう我慢ができなくなって、サルマのサンドウィッチを

 

まずそうだわ!と言いました。

 

サルマはとても悲しくなり、怒りがこみ上げてきました。

 

大好きなママが笑顔で一生懸命つくってくれたサンドウィッチを否定されたと感じたから。

 

そしてサルマもリリーのサンドウィッチを、気持ちがわるいわ!と言ってしまいました。

 

サルマもパパが毎朝が口笛を吹きながら、

 

一生懸命作ってくれたサンドウィッチを思い、傷つきました。

 

2人はサンドウィッチをはさんで、向かい合い、にらみ合いました。

 

その日、2人は別々に過ごしました。

 

次の日のお昼ご飯はもちろん別々の席で食べました。

 

すると2人の様子を知ったクラスメイトたちが、リリーとサルマのサンドウィッチを

 

どっちがいいか選びはじめ、互いに相手の悪口を言い合いました。

 

最初はサンドウィッチのけなし合いだったのが、だんだんと発展して、

 

ばか!、へんなかお!、へんなふく!と互いの容姿まで否定することに。

 

そしてもっと大変なことになりました。

 

みんなは自分の食べている大好きなお弁当を投げ合い始めたのです。

 

サルマとリリーはその様子を見て、自分たちがしたことを、

 

とても恥ずかしいと感じました。

 

2人は次の日のお昼、また以前のように向かいあって座りました。

 

そしてリリーが勇気を振り絞って、私のサンドウィッチひと口食べて見ない?と

 

誘い。サルマも食べてみたい!と笑顔で答えました。

 

そしてお互いのサンドウィッチを交換して2人は食べると、

 

どちらのサンドウィッチもとても美味しく、2人は抱き合いました。

 

そして2人は良いことを思いつきました。

 

それは、みんなそれぞれのサンドウィッチを持ち寄って、

 

みんなで色々なサンドウィッチを食べてみることにしましたというお話。

 

この絵本は作者の実体験から描かれています。

 

新しいことや、自分の知らない世界、変化に、拒絶してしまうときがあります。

 

知らない世界は怖いから。様々な文化の人がお互いの違いを認め合い、

 

どちらが上だ下だの理論ではなく、助け合い、理解しあえれば、

 

こんなにも強い味方はいないでしょう。

 

価値観が合うもの同士友達になったり、仲間になりますが、

 

それでも一人一人育つ環境も違えば、経験することも違います。

 

本当に理解するということは、その違いを違いとして、受け止めることなのかなと

 

考えながら子どもに読み聞かせしました。

 

《著者紹介》

作:ラーニア・アル・アブドッラー

ヨルダン王妃。国連児童基金ユニセフ)において、世界中の子どもたちのための福祉を提唱する献身的な運動家です。国際協力組織と共同で草の根活動を行い、異文化交流活動の第一人者として知られています。また世界中の子どもの教育問題にも取り組んでいます。

 

作:ケリー・ディプキオ

ニューヨークタイムズ紙でベストセラーとなった『Grece for President』や、『Bed Hogs』『Mrs.McBloom,Clean UP Your Classroom!』などを手がける絵本作家。夫と三人の娘とミシガン州に在住。

 

絵:トリシャ・トゥサ

30年近く執筆とイラストレーターをつとめ、40冊以上の児童書を手がけ、多くの賞を受賞。マディソンにあるウィスコンシン大学チルドレンブックセンターが主催するシャーロットゾロトー賞を獲得した、ジム・アベーベックの著作「In a Blue Room」のイラストを手がける。また、ナンシー・コフェルトの著作「Fred, Stay with Me!」では、

ボズトンハーンブック賞を受賞。現在、ニューメキシコに家族と在住。

※絵本より引用

【作:ラーニア・アル・アブドッラー、ケリー・ディプキオ 絵:トリシャ・トゥサ

 出版社:TOブックス】

 


ふたりのサンドウィッチ【絵本版】