アンデスの山の小さな村に住む家族のお話。
アンデスの山には木や作物は育たず、唯一じゃがいもだけが収穫できます。
朝も、昼も、夜も、おやつも、じゃがいもを食べて家族は仲良く暮らしています。
色んな種類のじゃがいもがあって、少し甘いじゃがいもはおやつにピッタリ。
ムーチョは朝起きると、母が釜戸で作ったじゃがいもスープを食べると、
お父さんとアルパカに草を食べさせるため、山を一緒に登ります。
その後、小屋の中のアルパカのふんをかき集める作業です。
アンデスの山には、木も電気もガスもないので、
アルパカのふんは、大切な燃料になります。
その夜、アルパカの親子がいなくなりました。
あたりを探していると、アルパカの親だけを発見しました。
子どもはどうやら岩の割れ目に落ちてしまったよう。
ルーチョが縄を持って、岩の割れ目に入り、アルパカの子どもを無事救出しました。
その夜は、お父さんとルーチョはアルパカの様子が心配で、小屋で寝泊まりしました。
朝になると、お父さんがもうすぐ村のおまつりだよ。と言いました。
ルーチョは昔、町のお祭りにいったときに食べたアイスクリームを思い出し、
この村のお祭りでもアイスクリームが食べられたらなぁ~と思いました。
するとアルパカのお母さんが、ルーチョに、私のミルクと、山の氷と砂糖と
じゃがいもでアイスが簡単に出来るわと言いました。
さっそくルーチョはお父さんに町で砂糖を買ってきてもらい、
収穫した甘いじゃがいもと、アルパカのミルクと、砂糖と氷で、アイスをつくりました。
大自然の中、電気もガスもない。食べ物はじゃがいもだけ。
厳しい暮らしのようですが、とっても豊かに生きているアルパカと
ルーチョの家族。
著者がパリに在住しながら、世界中を旅し、子どもたちと交流して、生まれた絵本です。
アンデスの村の暮らしがわかる一冊。
じゃがいもアイスクリームという、聞き馴染のないフレーズに、
興味をそそられました。どんな味なのでしょう?とても美味しそうです。
《著者紹介》
作:市川里美
岐阜県大垣市生まれ。1971年、旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学ぶ。こどもの世界をあたたかく、いきいきと描く作風が特長。世界で出版された絵本は
70冊を超える。『春のうたがきこえる』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしって!アレン』(偕成社)で第28回サンケイ児童文学賞美術賞など、受賞多数。
『とんでいきたいなぁ』(BL出版)など、パリの暮らしのなかから生まれた絵本や、世界各地を旅し、その土地のこどもたちとの交流から生まれた絵本など、精力的に創作活動を続けている。
※絵本より引用
【作:市川里美 出版社:BL出版】