ロイス・レンスキーさんの作品は、『ちいさいきかんしゃ』を読んだのが最初です。
絵本なのに映像を見ているような、細かい描写を言葉にしている特長があります!
小さな子どもでも、どんなお話なのか分かりやすく、しょうぼうしゃのしくみ、
どうやって出動して、火事を消しているのか、消防の仕事を自分が追いかけてその場で
見てきたような臨場感が味わえる絵本です。
ちいさいシリーズには必ずスモールさんが登場します。
消防車のしくみもしっかり説明されています。
消防署に待機していた、スモールさんと、消防車は、出動のベルが鳴ると、
すべりぼうをスルスルと降り、ヘルメットに防火服を着て、
運転席に乗り込みます。
サイレンを鳴らしながら、急いで現場に向かいます。
現場に到着すると、火元を確認しながら、降ろしたホースを伸ばし、
ホースの先のノズルをはめこみ、消火栓をすいこみホースでつなぎます。
玄関を斧で突き破って、中へ入ります。
お家の人たちは、ソファーや、電気スタンドや、家具を運び出します。
2階にいた女の子とねこを梯子つかって、無事救助すると、
今度ははしごを屋根の上までのばし、屋根を斧で穴をあけると、そこから、
放水を始めました。無事に火は消すことができました。
消防のお仕事が詳細に絵と言葉で描かれています。
絵も黒、白、赤の3色で構成されていて、とてもシンプルです!
子どもは、なぜ屋根に斧で穴をあけるのか、疑問を持っていました。
屋根裏まで火が上っているように見えなかったので、
なんでそこから火を消すのか不思議だったようです。
勇敢な消防車というよりも、小さくてかわいらしい消防車の世界が広がります。
【文・絵:ロイス・レンスキー 訳:わたなべしげお 出版社:福音館書店】