『どんぐりむらのぱんやさん』『どんぐりむらのぼうしやさん』に続く第三弾。
どんぐりむらの住民を通して、色々なお仕事知ることが出来ます。
今回は優しくて、親切で、かっこいいお巡りさんのお話。
おまわりさんは、朝早くから自転車で村をパトロール中。
交通整理から、交通安全の指導、それからまてばじいさんの落とし物の杖を探したり、
気にひかかった風船をとって、降りれなくなったどんぐりの小さな兄弟を助けたり、
大忙しです。この日助けてもらったどんぐりの兄弟のいっちは、
お巡りさんってかっこいいなぁと憧れを抱きます。
自分もお巡りさんになりたいと、村中を掃除したり、重たいものを持ってあげたり、
小さな子どものお世話をしたり、三輪車に乗りながら、村中の人に元気に挨拶をしました。
村のみんなに『君ならいつでも、おまわりさんになれるよ!』と声を掛けられ、
だんだんとその気になってきました。
おまわりさんに、僕を今日からおまわりさんにしてくださいとお願いし、
お巡りさんも困り顔。
おまわりさんになるには、もう少し大きくなってからじゃないとと言われます。
そこへ、まてばじいさんが、杖がまだ見つからず困って、交番へやってきました。
そこで、いっちは、まてばじいさんの杖を僕が探してくるよ~と言って、
三輪車で走って、あっちこっち探し回ります。
村のみんなの役にたって、はやく自分もお巡りさんになりたいと思ったから。
そこで木の茂みに杖らしきものを見つけますが、
重くて、重くて、いっち一人の力ではとても運べません。
いそいでお巡りさんを呼びに行きました。
一緒に杖のある場所へ戻ってみると、
さっきまで転がっていたはずの杖がなくなっています。
お巡りさんと一緒に、夕方になるまであたりを探しましたが見つかりません。
するとまてばじいさんの杖をもったふたつぶのどんぐりに出会い、
無事に、まてばじいさんの元へ杖を返すことができました。
まてばじいさんは、『きみはもう立派なおまわりさんじゃな。』と言ってくれましたが、
いっちは、自転車に乗れないから、まだなれないよと寂しそう。
おまわりさんは、いっちの背丈が伸びたころ、一緒に自転車の練習をしてくれました。
いっちは優しくて、親切で、かっこいいお巡りさんになるために今日も奮闘中です。
絵本の登場人物がいつも優しくて、素直で、まっすぐなキャラクターで、
安心して子どもに読み聞かせができます。
どんぐりなので、2人とカウントせず、ふたつぶと表現している点もすごく好きです。
まてばじいさんは、どんぐりのまてばしいをモデルにしているのがわかり、
子どもも大喜びでした。
いっちが、少し背伸びをして、大人に近づこうと、一生懸命に努力している姿も、
可愛らしく、感動します。
交番のランプもどんぐりの形で、絵のすみずみまで、工夫が凝らされていて、
見ごたえがあります。
どんぐりのケーキやさんは、いちごの代わりにどんぐりがケーキの上にのっていたり、
木に引っかかった風船も、どんぐりの形と色をしていたり。
絵だけで、もう一度読み返したくなる一冊です(*^^)v
【作:なかやみわ 出版社:学研】