★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

とうさんおはなしして  *アーノルド・ローベル

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ねずみのとうさんが、7人のねずみの兄弟に、

 

それぞれ一つずつ寝る前のおはなしをしてくれるお話です。

 

1人に1話、合計で7つのお話をしてくれる素敵なお父さん。

 

特に好きなお話は「くもとこども」。

 

空に浮かぶ雲が、色んな形に見えてくるねずみの子のお話。

 

空の模様が刻々と時間とともに変化していく。

 

雲は、時にお城や、うさぎ、ねずみに姿を変えていく。お母さんが花摘みにちょっと、

 

子どもの側を離れると、空に突然大きなネコが。

 

ねずみの子はたまらなくなって、「たすけて!」と言ってお母さんの側へ駆けだした。

 

空を見上げると、ねこはいなくなっていて、大きな空が広がっていましたというお話。

 

空の雲が色んな形に見える発見と、お母さんが側から離れたときに、

 

そこにあった雲の形や影の形、風の音が急に不安なものに変わる心境に共感。

 

「のっぽくんとちびくん」というお話は、お互いの身長の高さが違うので、

 

目線の高さも変わり、それによって見える世界が違ってくる。

 

同じ場所、同じ時間を共有しながら、互いの目に飛び込んでくる世界は、

 

少しずつ違っている。

 

一緒に散歩をしていれば、のっぽくんは空を飛ぶ鳥にあいさつをするし、

 

ちびくんは、地面を歩くアリとあいさつをかわす。

 

急な雨が降って来て、のっぽくんは雨粒にあいさつをし、

 

ちびくんは、地面の水たまりにあいさつをする。

 

急いで家の中へ入ると、窓辺に近づいた二人。

 

のっぽくんは、ちびくんを抱きかかえると、

 

一緒に空にかかった虹をみましたというお話。

 

他にも「だいりょうこう」はお母さんに会いに行く、ねずみの子のお話ですが、

 

ユーモアとシュールを持ち合わせた絶妙なお話で、

 

最後はどんな結末が待っているのだろうとドキドキしていると、

 

お母さんの息子への愛情あふれるお話で締めくくられていて、とっても不思議な読了感。

 

7つのお話をしたあと、ねずみの子たちはぐっすりと夢の世界へ。

 

ねずみのとうさんの、子どもたちへの深い愛情と、楽しいお話が、

 

7つの短編集絵本となって読むことができます(*^-^*)

 

平仮名で書かれているので、幼児から小学生低学年の一人で読む絵本に最適です!

 

【作・絵:アーノルド・ローベル 訳:三木卓 出版社:文化出版局

 

 

 


とうさんおはなしして (ミセスこどもの本)