おうむはみどり、きんぎょは赤色。
動物も植物も、みんなそれぞれ自分の色を持っている。
でもカメレオンは、違う。
行く場所の色によって、色は変わり続ける。
レモンの上ではきいろ。
トラの上では、トラ柄のしま模様になる。
カメレオンは考えました。緑色の葉っぱの上でずっと過ごせば、
ずっと緑色でいられて、自分の色を持てると思い、葉っぱの上で過ごしました。
しかし秋になると、葉っぱは紅葉し、黄色になり、カメレオンの体も黄色に染まりました。
カメレオンは悲しかった。そんな時もう一匹のカメレオンに出会いました。
二人はいつも一緒に過ごすことにしました。
一緒にみどりになったり、紫になったり、赤くなったり、
お互いは悲しみを共有するだけでなく、どんなに周囲が変化しても、
一緒に同じ色に変化していくことで、いつも同じでいられることに気が付きました。
ずっと自分の色にこだわっていましたが、新しい視点を得たことで、
カメレオンは自分のありのままの姿を受け入れ、幸せを見出しました。
みんなと同じじゃなきゃだめなのかな?
みんなと違うと幸せじゃないのかな?
この絵本は、いつも幸せは自分の中にある。自分の幸せは他人が決めるものではない。
自分の尺度で決めるものと問いかけてくれます。
逆に言えば、自分の幸せを他人に決めてもらっている(評価だったり)うちは、
幸せになれないし、不自由であることにも気付かされます。
大人も読んでいてハッとさせられる一冊です。
英語と日本語の両方文章があり、英語も簡単な単語が多いので親しみやすいです(*^-^*)
《著者紹介》
作:レオ=レオニー
1910年オランダのアムステルダム生まれ、イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家として、米国でもっとも活躍した芸術家のひとり。作品には、”Little Blue Little Yellow”、カルデコット賞次点で当社邦訳発行の「ひとあし ひとあし(Inch by Inch)」「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんめいねずみ」。「せかいいち おおきな うち」(児童図書スプリングフェスティバル賞およびBIB金のリンゴ賞)「さかなは さかな」や、1964年最優秀作品としてアメリカ図書館協会の指定をうけた”Tico and Golden Wings”など。
訳:谷川俊太郎
1931年東京生まれ。詩人として活躍、また絵本や記録映画の脚本も書く。1952年に第1詩集「二十億年の孤独」を刊行、近作には、エッセイ集「んまであるく」詩集「はだか」、「女に」などがある。
※絵本より引用
【作:レオ=レオニー 訳:谷川俊太郎 出版社:好学社】