おばけなのに、驚いている姿の表紙で、これはちょっと怖いのかな?と
ちょっと心配しながら読み進めました。
大きなお城で、おばけのアンリが、みんなを晩さん会に招待しました。
どんな料理が出てくるのかワクワクしながら見ていると、
まずは食前のカクテルはとてもカラフル。
もちろん運ぶときには、おばけなので、壁をすり抜けることができる。
真っ白なオバケたちが、カラフルなカクテルを飲み干すと、
飲んだカクテルの色にそれぞれが、カラフルに変身。
お次はかぼちゃのあつあつスープ。
みんなでスープを頂けば、みんなかぼちゃ色に変身。
サーモンを食べたら、ピンク色。
サラダを食べたら、緑色だけじゃなく、ギザギザとレタスの葉のような形状になり、
チーズを食べたら、チーズ柄に変身。
最後の特別メニューを口にすると、一口食べるごとに、
おばけの体はみるみる消えていき、空中にスプーンが浮いて、動いている絵。
まるで透明人間みたい。
そのままみんなで、お皿を下げてお片付け。
姿は見えないのに、お皿が空中に浮いて、移動する様子が面白い。
食後のコーヒーを飲んだら、またコーヒー色のおばけたちの姿が現れました。
消えたり、色が変わったり、形が変わったり、楽しいおばけ絵本でした。
よく人間の体も、毎日の食事から出来ていると言われているけれど、
この絵本を見ていると、この言葉が浮かびました笑
おばけの美味しい食卓で、楽しいディナーのお話でした。
フランスで生まれたこの絵本は、刊行からもう20年が経ち、世界の17カ国で、
愛され親しまれているロングセラーの絵本です。
期待や予想を裏切る展開が、子どもも最後まで楽しめたようです♪
《著者紹介》
作:ジャック・デュケノワ
1953年アミアン(パリの北150キロ)生まれのフランス人。美術学校を卒業後はポスターや新聞の挿絵をはじめ、多彩な分野に作品を発表。現在は、幼稚園の教師のかたわら絵本作家として活躍。著書に『おばけの地下室たんけん』(ほるぷ出版)などがあり、
フランスのほか、世界各国で翻訳出版されている。本書で1995年のペアレンツ・チョイス賞を受賞。
訳:大澤 晶(おおさわあきら)
京都府生まれ。大阪外国語大学フランス語学科卒業後、新聞記者などを経て翻訳家。
主な訳書に『チェラブ』シリーズ、『おばけの地下室たんけん』(ほるぷ出版)などがある。仙台市在住。
※絵本より引用
【作:ジャック・デュケノワ 訳:大澤晶 出版社:ほるぷ出版】