動物が大好きなマスターさんは、お天気のいい日は、
1日中動物園で過ごすのがお気に入りです。
動物たちもマスターさんのことが大好きで、マスターさんが動物園の門をくぐると、
ゾウはパオーンと鼻を鳴らしてごあいさつ。
他の動物たちも声高らかに、マスターさんを出迎えます。
でも夜になって家に帰る時には、1日動物園にいたのに、
離れるのが寂しくてたまりません。
動物もまた同じ気持ちです。
雨の日や雪の日は、動物園に行けないので、いっそう恋しくなります。
ある日の事、飼育係のおじさんが、ベンチでうっかりうたた寝し始め、
ゾウは、ポケットからこっそり鍵を抜き取りました。
そしてその夜動物たちの檻をすべて開けて回り、
みんなでマスターさんの住むマンションへ。
マスターさんがちょうどベッドにはいったとき、玄関のチャイムが鳴り、
真夜中に訪れた嬉しいお客にびっくり。マスターさんは動物みんな家に入れました。
次の日、動物園の動物はからっぽで、警察も出てきて、大変な騒ぎに。
マスターさんの家に飼育係と警察がいくと、
動物たちは動物園へ帰りたがりません。
相思相愛な動物とマスターさんが下した決断は・・・
さぁ、困った飼育係のおじさんはどうしたのでしょう?
最後はハッピーな結末で、動物もマスターさんもとても幸せそうです。
読んでいる私たちも幸せな気持ちに包まれる一冊です!
《著者紹介》
作:アーノルド・ローベル(1933ー1987)
カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。高校卒業後、ニューヨークのブラット・インスティテュートでイラストレーションを学んだ。1962年、本作でデビューし、1971年『ふたりともだち』(文化出版局)1972年『よるのきらいなヒルディリド』(富山房)でコルデット・オナー賞を、1981年『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』でコルデット賞を受賞。その他『4ひきのりっぱなこぐま』『かわうそオスカーのすべりだい』(以上、好学社)など多数。
訳:こみやゆう(小宮由)
翻訳家。東京都生まれ。東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父はトルストイ文学の翻訳家、北御門二郎。主な翻訳作品に『4ひきのりっぱなこぐま』『ロベルトのてがみ』『ねずみに ぴったりの のりもの』(以上、好学社)などがある。
※絵本より引用
【作:アーノルド・ローベル 訳:こみやゆう 出版社:好学社】