ねこがみなとで、さかなをつりあげた。
それはそれは大きな魚で、肩にひょいと担いで歩く。
ねこの体よりも大きな魚を担いで歩くねこを見たねずみは驚いた。
そのうちに、魚にぱくりと食べられてしまった。
ねこはをそれを知らない。
今度はうさぎがやってきて、またねこと魚を見ていると、
魚がぱくりと食べてしまった。
いぬもたぬきも、きつねもぶたも、ごりらも、簡単にぺろりと平らげた。
魚の体はどんどん大きくなっていき、絵本のページからはみ出していく。
ねこはどんどん魚が大きくなって、重くなっていることに気が付いていない。
そのうちに、ねこは、あまりの重さにたえきれず押しつぶされそうに。
魚がどうしてこんなに大きくなったのか、ねこにはわからない。
魚に近づくと危ないのに、ねこは魚に近づいていく。
それどころか、ねこは「いただきまーす」と大きな魚を食べ始めた。
ねこは大きな魚をまるごと完食し、体はまるまると大きくなった。
ねこが食べたのは魚だけじゃないんだよ。
”なんとなんとなんと
なんとなんとなんと
なにをたべたかわかる?”
という最後の問にはちょっとぞっとしてしまう。
そして何を食べたことになったんだっけ?と思わず物語を最初から振り返りたくなる。
何も知らずに食べてしまったねこ。
そして、ねこも魚に最後は食べられるのだろうと思っていた結末が、
見事裏切られ、予想外の結末は長新太さんらしいシュールな世界だ。
途中子どもと一緒に笑って読んでいたけど、
最後これは笑っていていいのかな?と不安になる何とも言えないユーモアな世界。
絵は黄色と黒色の2色で構成されていて、字も少ないので、幼児のひとり読みにも
おすすめです(*^-^*)
【作・絵:長新太 出版社:絵本館】