かえるくんとがまくんは大の仲よし。
2人は正反対の性格。その2人のクスっと笑える掛け合いが楽しい絵本です。
ユーモアと、笑いと、そしてちょっと切ない物語5つから構成された、
幼児向け童話絵本です(*^-^*)
『はるがきた』は、春になって先に目覚めたかえるくんが、
まだ冬眠中のがまくんを起こしに行くところかは始まります。
もう4月だというのに、がまくんはまだ眠っていたいから、5月の半ばになったら、
また起こしてとかえるくんに頼みます。
かえるくんは早くがまくんと遊びたくて、春という季節を一緒に楽しみたくて、
5月まで一人で待っているなんて出来ないと考え、
カレンダーを5月までやぶります。
そしてかえるくんはがまくんに、もう5月だよと起こしに行くユーモアで、
かわいらしいお話から始まります。
『なくしたボタン』では、周りをひっかきまわして、
さんざんボタンをみんなに探してもらったのに、
結局自分の家の床に落ちていたというオチ。よくあるある話で、
私も読んでいて耳が痛い、いや目が痛い!?
みんなが拾ってくれたボタンをそのまま大事にし、
ジャケットに全部縫い付けて、一緒に探してくれていたかえるくんに、
リメイクしたジャケットをプレゼントする素敵なお話です。
最後の『おてがみ』は、小学校の教科書にも掲載されているお話です。
悲しそうながまくん。理由を聞くと、毎日自分宛のお手紙を待っているけど、
一度も来たことがないと。
かえるくんは家に帰ると、さっそくがまくん宛てにお手紙を書きます。
そして知り合いのかたつむりくんに、がまくんに手紙を届けて欲しいと託します。
かえるくんはまたがまくんの家に行き、一緒に手紙が来るのを待とうよと言いますが、
がまくんはどうせ来ないよとすねたまま。かえるくんは実は・・・とたねあかしをすると、
がまくんは大喜びで、玄関で一緒に手紙が来るのを待つことに。
かたつむりくんに頼んだ手紙は4日かかりました。
でもその4日間は、手紙の内容を知っていても、誰からくる手紙とわかっていても、
手紙が来るまでの時間は愛しく、ふたりにとって幸せな時間でした。
手紙が持つ力を改めて感じました。相手のために便せんを選んで、
文章を考えて、切手を選んで、ポストに出しに行く、そして返事を待つ時間、
その全ての工程がギフトなんだと気づかされました(*^^)v
子どもにもこんなにすてきな友人が、生涯に一人でも出来たらいいなぁ、
大切にして欲しいなと思いで読み聞かせしました。
【作:アーノルド・ローベル 訳:三木卓 出版社:文化出版局】